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永井和の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-04-17掲示板への投稿から―その3 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

従軍慰安婦は自由売春制度ではありえない。

たしかに、数ある慰安婦の中には、その自由意志によって慰安婦となった人もいたでしょう。

 しかし、そのような例が存在しているからといって、「従軍慰安婦の実態は自由売春だ」とはいえないのです。ebizoh様もみとめるように、そして多くの3b論者の方々も認めているように、逆にその意志に反して慰安婦となることを強制された人も現実にはいたからです。

 

 こういうと、「一部の自由意志による慰安婦存在をもって、従軍慰安婦の実態は自由売春といえないのであれば、同様の論理でももって、一部の売春を強制された慰安婦存在をもって強制売春とはいえないはずだ」と、切り返えされるにちがいないですが、この場合は、両者の比率が問題となるでしょう。どちらが多数をしめていたかです。

 もとより、正確な数字を割り出すことなど不可能ですが、残されている証言や回想から判断して、強制売春のケースが基本的であったことはまちがいないでしょう。3b説をとる論者の多くが2a説であることは、その判断が妥当であることを示しています。

 それよりも、何よりも、システムとしての慰安婦制度が「自由売春」と言いうるためには、「強制売春」を禁止する風俗行政上の強い規制がなければならないのです。そうでなければ、「自由売春」制度とは言えません。

 仮に現在日本で、「自由売春」制度を実施しようとすれば、法的には、売春防止法の第1条および第4章を改正し、第2章の第3条、第5条あるいは第6条および第3章は廃止しなければいけませんが、しかし第2章の第7条から第13条までは残さなければいけないし、さらに売春の強制やそれを目的とする自由の拘束を厳に禁止する条項を設け、その罰則を強化しなければいけません。

 たんに売防法を廃止するだけでは、「自由売春」制度にはなりません。売防法を強制売春禁止・処罰法に変化させてはじめて、「自由売春」制度がなりたつのです。もちろん最近改正された刑法における人身売買・人身取引罪は必須です。

 たんなる売春の公認だけでは、「自由売春」制度にはなりません。売春を正業と認め、強制売春禁止法、人身売買・人身取引禁止法、強力な売春婦(sex worker)保護法と保護のための行政措置がとられなければ、たんなる売春の公認は、ほぼ必然的に強制売春の横行にいきつきます。それが人類歴史現実です。

 その点で、ebizohさんの「自由売春」を「公認された合法な売春」と同義のものとする理解は、根本的な誤解といってよいでしょう。

 さて慰安婦に関していえば、政府が大々的に行った調査の結果わかったことは、「自由売春」を制度的に保証するであろうはずの、慰安所での強制売春禁止規則や慰安婦保護規則なるものがどこにもみつからなかったという事実です。この一事をもって、従軍慰安婦の実態は「自由売春」制度とはいえないと結論してよいのです。

 この結論をくつがえすには、慰安所での強制売春禁止規則や慰安婦保護規則がなくても、事実において「自由売春」であった。すなわちごく少数の例外を除いて、慰安婦はその自由意志によって売春に従事し、かつその稼業を行うに際して、いかなる強制も拘束もうけていなかったこと、そして少数の例外的な売春強制に対しては、厳重な処分と慰安婦解放がおこなわれたことを、証明しなければなりません。はたして、ebizoh様にそれができますか。

2007/04/14 21:40:15

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