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永井和の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-04-16掲示板への投稿から―その3 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

公娼制度は事実上の強制売春か否か


次ぎの問題にうつります。

 「従軍慰安婦の実態は強制売春か、自由売春か」という問題は、すでに決着がついている。なぜなら、3b説に立つ論者の多くが「従軍慰安婦制度は公娼制度の戦地版」であると解釈しているが、「公娼制度」は「事実上の強制売春」であるから、「従軍慰安婦制度は公娼制の戦地版である」という言説そのものに、「従軍慰安婦の実態は、強制売春である」という主張が内包されているからであると、私が指摘しました。

 それに対して、ebizoh様は、それは公娼制度についての誤解である。「公娼制度は事実上の強制売春である」というのは、一部の論者の主張にすぎない」として、その「公娼制度が事実上の強制売春ではない」理由を以下のように述べられました。

「行為当時の法解釈によれば、公娼制度の枠内であれば合法であり、強制売春ではありません。実態として、公娼制度の枠を越える搾取虐待などのケースがあった場合には強制売春にあたるので、このケースだけを事実上の強制売春と呼ぶのであれば、異論はありません。」

 これからわかるように、どうやら「公娼制度のもとで娼妓に売春をおこなわせることが、合法か否か」と「公娼制度のもとで娼妓に売春をおこなわせることは、強制売春か否か」とは、別の問題であることを、ebizoh様は理解されておられないようです。

 そこで、ebizoh様が信頼されている秦氏の見解をただしてみましょう。『慰安婦と戦場の性』では公娼制度について以下のように書かれています。

「しかし娼妓たちが自由を奪われた悲惨な「カゴの鳥」であるという実態は変わらず、救世軍などによる廃娼運動が盛り上がるのを見た内務省は、一九〇〇(明治三三)年に「娼妓取締規則」(省令四四号)を制定して、全国的た統一規準を作ろうと試みた。

 だが、この法令が一般に近代公娼制度を確立したと評されているように、必ずしも彼女たちの境遇が改善されたわけではなかった。たとえば、前借金が残っていたも廃業する自由は認められたが、楼主(抱え主)側の妨害や警察の非協力があり、実際には廃業しにくいうえに、新たな生業につくのも容易ではなかった。また廃業しても、前借金の契約自体は有効(一九〇二年の大審院判決)とされたので、借金返済できぬ女性は元の境遇に戻らざるをえなかった。」(28頁)

 「この時代(昭和初期の不景気時代)の日本では、公娼の多くは親が前借金という名目で娘を売春業者に売る、いわゆる「身売り」の犠牲者であり、その背景は広義の貧困であった。」(33頁)

「まさに「前借金の名の下に人身売買奴隷制度、外出の自由、廃業の自由すらない二〇世紀最大の人道問題」(廓清会の内相あて陳情書)にちがいなかった。」(38頁)

 ebizoh様の指摘とは逆に、秦氏も、公娼制度は「事実上の強制売春」と理解されているようです。

2007/04/15 11:25:29

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