Hatena::Groupianhu

kmiura このページをアンテナに追加 RSSフィード


日常生活では、どんな店屋の主人でもしごくあたりまえに、ある人が自分がこうだと称する人柄と、その人が実際にどういう人であるのかということを区別することぐらいはできるのに、わが歴史記述ときては、まだこんなありふれた認識にさえも達していないのである。それは、あらゆる時代を、その時代が自分自身について語り、思い描いた言葉どおりに信じ込んでいるのである。    『ドイツ・イデオロギー』

私家版・従軍慰安婦問題のリンク集(2008・8)

071213

[] 村野瀬さんのところでコメントした内容に関連して。 00:01 はてなブックマーク -  村野瀬さんのところでコメントした内容に関連して。 - kmiura  村野瀬さんのところでコメントした内容に関連して。 - kmiura のブックマークコメント

# 2007/12/05(水) 22:07:58 |一知半解男

>そこで、不思議なのが村野瀬さんの態度です。一連の主張を見ると、「日本軍はこんなに残酷なことをした。慰安婦の方々は悲惨だ。可哀そうだと思わないのか」と主張し、中韓の主張を丸のみして「20万人もの慰安婦が”性奴隷”として扱われた残虐行為」を肯定している方なら、当然「日本人=残虐」と受け取られるリスクも想定してしかるべきなのに、全く想定すらされず、私に指摘されると「どこにそんな根拠があるのか」と開き直る。

はじめまして。在外生活14年のkmiuraと申します。”過去に日本軍はこんなことをした”と事実を認めて話し合ったほうが、”そんなことを日本軍がしたはずがない”と明らかな嘘をつくよりもはるかに世界の中の一個人としての"リスク"は低いです。後者であればただの排外主義のナショナリストであるということになり、それはただちにインターナショナリズム、すなわち海外で剥き出しの日本人として世界の中に生きることに危機をもたらします。だからこそ過去に日本人がした罪を認めることと、でもその日本人の子孫であるワタクシはそのようなことをしない、と言明するのです。だから日本という否定できないナショナリティが歴史を含めて全否定されるのかといえば、世界はそんなに単純ではない。どのナショナリティもポジティブとネガティブを背負っていることは誰もが了解しているのです。このようなプロセスを経なければ、歴史から学び世界をよくして行く事はできない、というのもまた、世界のコンセンサスと考えられたほうがよいでしょう。

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-511.html

一昔前よりも”海外がどう日本を見ているか”という情報が多くなったので逆に日本に住んでいる日本人も海外に住んでいる人間が経験することを少しずつ経験するようになった結果、「日本を貶めようとしている」あまつさえ「情報戦」などと不安になっているのかな、と思ったりする。入ってくる情報がナマではないから余計”リスク”なんていいだしたりするのだろうか。ま、でも海外に長いこと住んでいる人でも逆にナショナリズムの殻にこもってしまう人もいる。たとえば某コモリ氏なりドイツ在住のウルトラナショナリストの日系おばさん、とか。実は私もアメリカに住んだ三年で、ナショナリストより、文句なしに日本擁護、という態度になった経験がある。「真珠湾攻撃は卑怯だった」とかいわれたら、「なにを」と思ったりするんで自分なりにしらべて、いつのまにか日本を代表することになってしまっている。こうした立場を相対化できないといつのまにやら偏ったナショナリストの誕生だ。関連するこの3年ほどの間の拙稿をリンクしておく。

愛国心

http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040731#p1

becoming a Japanese

http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040731#p2

日本人入門

http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20060924#p1

片栗粉の増粘機能

http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20061208#p1

村野瀬玲奈村野瀬玲奈2007/12/15 16:41kmiuraさん、コメントとさらにエントリーも加えていただきましてありがとうございます。おっしゃることよくわかります。いろいろな方に意見を言っていただくと、何が世界の中で生きる態度なのかを改めて考えるきっかけになります。

そのうえで付け加えますと、この一知半解男さんは、従軍慰安婦の境遇の悲惨さに思いをはせ、救済しようと思うことを「中韓の主張を丸飲み」ということに結び付けていて、思考回路として興味深いと思いました。それとも、20万人をたとえば15万人に値切れればこの人は満足なのか、とも考えてしまいました。まさかゼロに値切ろうとしているのではないでしょうけど...。

これからもよろしくお願いいたします。

kmiurakmiura2007/12/17 01:21こちらこそよろしくおねがいします。
”中韓の主張”、というようになんでも国同士の争いに回収させてしまう安易さにはどうも困ったものだ、と思います。

一知半解男一知半解男2007/12/19 23:23kmiuraさん、初めまして。村野瀬さんの処でコメント返したかったのですが、握りつぶされてしまい出入り禁止となりましたのでこちらに回答を投稿します。

>”過去に日本軍はこんなことをした”と事実を認めて話し合ったほうが、”そんなことを日本軍がしたはずがない”と明らかな嘘をつくよりもはるかに世界の中の一個人としての"リスク"は低いです。

まず私は事実の認定自体あなたと立場が異なるので、「明らかな嘘」とついたと考えてないことをご了解ください。
あなたの仰る「低いリスク」が私の考えるリスクと比べてどういう内容なのか良くわかりませんが、私が、「日本人=残虐」を日本人自ら認めることにより起こるリスクと懸念しているのは次の2つです。kmiuraさんは以下のことが全く起こりえないと思いになりますか?

1)日本人が迫害されたとき、またはされるときの言い訳や正当化に使われるリスク。
2)日本人への人種的差別や偏見を助長してしまうリスク。

よその国ではたとえ事実であろうとも素直に認めないものです(トルコのアルメニア人虐殺問題がいい例です。最近のニュースではフランス大統領もアルジェリアに謝罪しませんでしたね)。彼らが謝罪しない主な理由は将来への悪影響を懸念しているためでしょう。要は子孫のことをしっかり考慮しているわけです。kmiuraさんはどうか知りませんが、左翼の方は欧米にならえという方が多いように見受けられるのですがこういった事は不思議と真似しませんね。

それはさておき、ましてや事実でもなく、冤罪としか思えないことだったら否定して当然だと考えて異議を唱えることがどうしていけないのでしょうか?村野瀬さんの処でも散々質問したのですが、「20万人もの慰安婦が”性奴隷”として扱われた」という確たる証拠さえ示していただければ、我々だって冤罪だとは思いません。残念ながら彼女はこの問いに答えてくれませんでしたが。

kmiurakmiura2007/12/20 08:53こんにちは。

>1)日本人が迫害されたとき、またはされるときの言い訳や正当化に使われるリスク。

法的にはこうしたリスクはありえないでしょう。世界中でドイツ人がなぶり殺しにされて放置されている、とかいうのならば話は別ですが、私はそのような情報を耳にしたことがありません。これはApemanさんが村野瀬さんのコメント欄で短くコメントされているとうりだと思います。
一方街角ではこうしたことがあるかもしれません。事実私は真珠湾攻撃が闇討ちだった、というようなことをめぐって、アメリカ人と殴り合いの喧嘩を10代のころにしましたにしました。一度だけですが。でもそれがたぶん一知半解男さんの言う「日本の過去を背負う」というようなことでしょう。
一知半解男さんが問題にされていることのひとつは、もし慰安婦を巡って世界に行き渡っている情報が間違いならば殴られ損ではないか(あるいはあやまる必要もない)、ということだと思います。私も同様の観点から日本の歴史に関しては、自分でいろいろ調べることにしています。こうした問題に関してどんなときに反論すべきか、みとめるべきかというのはやはり自分で調べておかないと、自信をもって対応することができないからです。お時間がない、とのことですが、私もかなり仕事が多忙ですが、以上のような理由で自分でしらべて自分なりの結論を出しました。いろいろなまとめサイトがウェブ上にはあるのですが、簡単でよくまとまったものもあるので、いくつかお勧めのものを後ほど下に貼り付けようかと思います。また、書店やアマゾンで簡単に入門書を買うことができます。はっきりいって、ウェブよりも本のほうがまとまっていて信頼できると思います。

「従軍慰安婦」をめぐる30のウソと真実 吉見・川田 大月書店

などでしたら、通勤途中などにすぐに読めると思います。ネット右翼に眼の敵にされている吉見さんの本ですが、簡単とはいえ、研究者の書いたものなので一応それなりの読解力は必要です。マンガや、嫌韓さきにありきのスローガン的な本とは違うので。

>2)日本人への人種的差別や偏見を助長してしまうリスク。

人種差別や偏見は、人権という観点から否定されるべき行為です。この前提が共有されている国であれば、法的にそうした人間や組織と戦うことは可能です。今回の欧州決議に関していえば、決議はまさにその人権を問題にしています。したがって、私はこうした決議、すなわちメッセージには連帯の意志を示したい、と思っています。

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20071214/1197581267

なによりも彼らが問題にしているのは、元慰安婦の方たちがまだ生きていて、声を挙げており、裁判所も事実認定を行っているのに、日本政府はあたかも彼女達の死を待ち望んでいるかのように行政的な対応がなかなか進んでいないという点です。ネット上では「売春婦がなにをいうか」といった意見が多くありますが、裁判所が事実認定しているのですから、これを「ただの売春婦だった」と切り捨てる意見にはどうにも私も納得がいきません。したがって、これはまさに今そこにある人権の問題なのです。
先に述べたように、「日本人が慰安婦システムを作った」ということは、日本人として世界の中でうろうろしていれば、いずれどこかで面と向かって指摘されることもあるかもしれません。歴史的事実なので、私は認めます。しかしそのことで私自身が人種差別という形で迫害を受けるならば、私は私の人権を主張して闘うでしょう。
ある国の過去の行いが現在の個人に対してどのように影響するのか、というのはなかなか興味深い話です。たとえば、有名になった映画「ブレイブ・ハート」でイギリス人は実に残虐で高慢な人々として描かれます。スコットランド人の友人は「実はあんななまやさしいものではなく、殺されるときに最初に睾丸を切り落とされ、口のなかに詰め込まれてそのあと八つ裂きにされたのだ」と真顔で私に言いました。酸鼻きわまる話ですが、だからといって私はイギリス人を十杷ひとからげに極悪人と認識し、イギリス人に出会うたびに偏見を感じるでしょうか?あるいは、人種差別をしようとするか。でもそんなことはありません。昨晩も飲んで一緒に騒いでいたフランス人達が「アルジェリア人を迫害し残虐に殺したやつらである」などとはその事実があることは知っていても今目の前で飲んでいるフランス人に対してそんなことは思いませんでした。あるいは、スペイン人の友達の家で先日一緒に飯を作っているときに「こいつらは南米でインディオを絶滅に近くまで追い込んだ連中である」と思うか、といえばそうした歴史は知っていますが、このパエリアうまいね、とか言っているだけです。これが世界の中で生きている一日本人、すなわち私のきわめて日常的な姿で、過去の行いと目の前の人間、あるいは彼らにとっての私はただの人間です。案ずるより生むが易し、とでもいえばいいのでしょうか。

私の知る限り、慰安婦が全部で何人いたのか、というのは推定の域を出ていません。日本本土、および第二次世界大戦中の植民地、および占領地に確認された慰安所の数、およびひとりあたりの就業期間、一日に”慰安”する兵士の数などから、全体の数がマクロに推測されたということであって、名簿がみつかっているわけではありません。20万人は最大みつもりで、上で紹介した本には8万人から20万人、という幅をもった見解が適当である、とさまざまな考察を説明した後に結論付けています。

こうした情報が少ないのは当時の外務省などの政府、および軍部の上層部が、慰安婦というシステムは国際法に照らしてヤバイということがわかっていたので、特に政府の関与がないという形式、および、軍がローカルにマネージメントするという形をとって隠蔽していたために、慰安婦が軍属扱いされることがありながらも、組織的な構成の統計などが残っていないのです。もしかしたらあったのかもしれませんが、終戦が決まった直後に軍の中央から命令が出て公文書が大々的に燃されました。この命令書も現存していますし、また、この焼却行為に関しては終戦直後に上陸した米軍の記録も残っています。下記の掲示板にいろいろな情報が集まっていますので、参照にしてください。

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/bbs/26?mode=tree

性奴隷という言葉に関しては、「鎖につながれた裸の女」というようなイメージが先行してしまうと思うのですが、20世紀の間のさまざまな議論を経てその定義はアップデートされ明確になっています。下記の
リンクは奴隷状態の定義に関する国連の報告書の翻訳なのですが
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/keyword/%e5%a5%b4%e9%9a%b7%e7%8a%b6%e6%85%8b%e3%81%ae%e5%ae%9a%e7%be%a9
そこから性奴隷状態に関する定義を抜書きします。

引用 >>
性奴隷状態とは成人女性や少女に対する強制的な「婚姻」、家庭内労働、あるいは強制労働など、捕獲者によるレイプを含み,結局のところ強制的な性活動に至る状況をも含むものである。
また、性奴隷状態はすべてではないが、ほとんどの形態の強制売春をも含むものである。『強制売春(forced prostitution = enforced prostitution)』という用語は、種々の国際的人道法に出てくるが、その理解は不十分であり、適用にも一貫性がない。一般的に『強制売春』は、他人によって強制的に性活動に従事させられた個人が支配下にある状況を意味することが多い。
旧来の強制売春の定義には、女性の「名誉」に対する「不道徳な」攻撃という曖昧な言葉で焦点を当てたものと、そうでなければ奴隷状態の条件<をより正確に説明しているであろう定義とほぼ差異がないものがある。
一般原則として、武力紛争の状況下での強制売春と説明しうる事実関係のほとんどが、実のところは性奴隷状態と同然であり、奴隷状態としてそれを特徴づけ告発するほうが、より的確かつより容易であると思われる。
<< 引用終わり
人権を巡るさまざまな考察から上のような見解が導かれそれを基準に歴史を眺めたときに、慰安婦は性奴隷に他ならない、と結論されるのです。