Hatena::Groupianhu

kmiura このページをアンテナに追加 RSSフィード


日常生活では、どんな店屋の主人でもしごくあたりまえに、ある人が自分がこうだと称する人柄と、その人が実際にどういう人であるのかということを区別することぐらいはできるのに、わが歴史記述ときては、まだこんなありふれた認識にさえも達していないのである。それは、あらゆる時代を、その時代が自分自身について語り、思い描いた言葉どおりに信じ込んでいるのである。    『ドイツ・イデオロギー』

私家版・従軍慰安婦問題のリンク集(2008・8)

070718

[][] 性奴隷という言葉のニュアンス 01:48 はてなブックマーク -  性奴隷という言葉のニュアンス - kmiura  性奴隷という言葉のニュアンス - kmiura のブックマークコメント

hizzzさんの考察: 米国での「性奴隷(sex slave)」の歴史的経緯

この時の中国人女性の立場を「性奴隷(sex slave)」と表している英文は多い。「The Page Law, sex slave, 1875」での検索結果は約535,000件になる。ビクトリア・サンガーが産児制限を唱えはじめるのは1914年になるが、「白人」女性の地位向上の裏で社会運動家にとってもの言わぬ(無論それは言葉の壁もあって「言えぬ」でもあるのだが)中国人女性イメージは「性奴隷(sex slave)」に結びついたのである。女性たちは中には渡米の自己意志を持って来たり全て無給売春をしていた訳ではないが、両国の幾重にも重なった周囲により性的に支配された不本意状態におとしこめられていた。これが、「性奴隷(sex slave)」の語源で、おおよその意味するところではないだろうか。

http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20070718#p1

やっしゃんさんのエントリー

慰安婦は性奴隷(sex slave)で間違いないと思いました

http://dj19.blog86.fc2.com/blog-entry-103.html

山木さんのエントリー

奴隷(sex slave)とは、タダ働きのことなのか?

http://d.hatena.ne.jp/yamaki622/20070717/p1

追記・関連エントリー

日本の私立大学教授キンモスさんの「日本の慰安婦奴隷と描写することは不適切」という発言に関連するエントリー。キンモスさんの意見は「目下のアメリカ人の”奴隷”にたいする語感(奴隷貿易の奴隷)は、慰安婦の実態と差がある」と言う点から「不適切」という発言。まあ、だったら現代的な定義に基づいて説明しそれを世に広めて欲しい、と私は思う。教育者だろ。

古森義久氏と「奴隷」。

http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070625/1182768444

慰安婦」は「性奴隷」ではないという主張 →コメント欄も。

http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-202.html


本サイトの掲示板。

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/bbs/1/1

エントリーに加えられた、永井先生の"white slave"の解説も詳しい。

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20070718#c1184902884

StiffmuscleStiffmuscle2007/07/18 22:35クマワスワミ報告の採決のときにも、非難めいた文書出して回収したんですよね。EUのBSE評価のときも一方的に拒否したし。他にもいろいろありますね。

ni0615ni06152007/07/19 11:33http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-202.html#comment1437
こちらで知ったのですが、三浦さんのところで
"the UNHCR definitions of slavery defined by the 1926 Slavery Convention"を資料として収集しておられますか?

kmiurakmiura2007/07/19 18:05ni0615さん、おひさしぶりです。
”奴隷状態の定義”に掲載しているマクドゥーガル報告書の定義自体の冒頭が

27.1926年の奴隷条約において、奴隷状態の最初の包括的な定義が明記され、その定義は現在も広く認められている。1926年の奴隷条約を引用すれば、『奴隷状態とは、所有権を伴う権力の一部もしくは全部が一個人に対して行使されている状況もしくは状態である』(訳注1)と解釈するべきであり、レイプなどの性暴力の形態による性的接触を含む。

o 訳注1 1926 Slavery Convention (http://www.ohchr.org/english/law/slavery.htm)  Article 1 (1) Slavery is the status or condition of a person over whom any or all of the powers attaching to the right of ownership are exercised.

とはなっていますが、この奴隷条約自体は掲載していません。ちょっとみてみましたが、翻訳はみあたらず、翻訳して公開するのはよいアイデアだと思います。なお、ダニエル・スタージャンさんの意見、読みましたが現時点での解釈として、まっとうだと思いました。キンモスさんの意見は、こうした20世紀後半の成果を考慮していない見方ですね。

nagaikazunagaikazu2007/07/20 12:41 英語圏とくにアメリカでは、強制売春とslaveという単語の結びつきは、そんなに奇異なものではないはずなので、キンモスさんの「目下のアメリカ人の”奴隷”にたいする語感(奴隷貿易の奴隷)は、慰安婦の実態と差がある」というのは、どう考えてもおかしいですね。

 このグループの掲示板 http://ianhu.g.hatena.ne.jp/bbs/1 にも書いたことがありますが、アメリカやヨーロッパにおいては、white slaveという言葉が19世紀半ばから使われています。だいたいが人身売買や誘拐などで女性を拘束し、売春を強制させること、およびそのようにして売春を強制させられた(主として白人の)女性をさす言葉でした。最初は白人の若い女性のことが社会問題となったので、そのような(白人の)女性のことを(黒人の)奴隷になぞらえてwhite slaveとよんだのです。 
 1910年にアメリカでWhite-Slave Traffic Act という名の法律が制定されました。これは売春に従事させる目的で婦女を売買あるいは誘拐、略取することを禁じた法律であり、提案者の案をとって、Mann Actと呼ばれています。その名が示すように、この法律で連邦政府は、white slaveを禁止したわけです。

 さらに、white slaveは国際条約においても使用されています。1910年に締結された「醜業を行わしむる為の婦女売買取締に関する国際条約」の英語名はConvention for the Suppression of the ”White Slave Traffic”でした。「醜業を行わしむる為の婦女売買」=”White Slave Traffic”だったわけです。

 kmiuraさんが紹介されたhizzzさんの「性奴隷の意味」で指摘されているように、
http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20070718
婦女売買(women traffic)によって売春を強制させれられる女性の人種がひろがり、しかも社会問題として認識されるようになってくるにつれ、white slaveがsex slaveに変化したのだと思われます。だとすれば、sex slaveは、歴史的にみて、黒人奴隷制ではなくて、「強制売春」と密接に関連した言葉と言わざるをえません。

 ところでwhite slaveの用例をもう一つあげておきましょう。みなさんご存知のRAA、すなわち戦後日本がアメリカ占領軍のために設けた「特殊慰安施設」で、サンケイの古森義久記者が米軍の命令で設置されたと誤報した、例のあれに関するものです。

 古森記者のお仲間の阿比留瑠比氏はそのブログ「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」の2007年05月06日の記事で、このRAAについて言及し、1997年08月15日の産経新聞東京朝刊1面に掲載された石井英夫記者の「ヨコスカ白昼夢のころ」というコラム記事を引用しています。その石井氏の記事には、次のような一節があります。
「“世界最大の売春トラスト”とシカゴサン東京特派員のマーク・ゲインが呼んだ「特殊慰安施設協会」(RAA)が誕生したのは八月末である。それより早く八月十八日、内務省警保局長から各府県の担当者あてに「進駐軍慰安施設について」と題する秘密指令が発せられていた。」
http://abirur.iza.ne.jp/blog/day/20070506/

 当時日本に特派されていたシカゴサンのマークゲイン記者は、RAAのことを“世界最大の売春トラスト”と呼んだと記されています。

 ところが同じマークゲインの指摘は、別のブログでは、このように記されています。
「〈ニッポン日記〉=昭和二十六年刊=でマーク・ゲインが「世界最大の白奴隷トラスト」と呼んだRAAの銀座本部」

これは、qssoさんの「すさまじきものにして見る人もなきブログ!」の2005-05-31のエントリです。http://tesso.exblog.jp/1979753

 つまり、「世界最大の売春トラスト」と「世界最大の白奴隷トラスト」は等価の関係にあります。では、原文はどうなっているのでしょうか。Mark Gayn Japan Diary, Charles E. Tuttle Company, 1981 では当該部分は、
"the Recreation and Amusement Association (RAA), the world's biggest white-slave traffic combine"
です(p.232)。

 つまり、阿比留氏が“世界最大の売春トラスト”と理解しているものを、マークゲインその人は"the world's biggest white-slave traffic combine"と書いていたわけです。

 サンケイの古森・阿比留両氏によれば、日本軍の慰安所も米軍向けのRAAも、性格的には同じものであったはずです。ですので、RAAが"the world's biggest white-slave traffic combine"ならば、同様に、日本軍慰安所も"white-slave traffic combine"と呼んで何の不思議もないということになるはずです。日本語で書けば、日本軍慰安所は、「白奴隷トラスト」だということになります。

 その古森・阿比留両氏(および彼らと同意見の「日本軍慰安所=戦地公娼制度」論者)が、日本軍慰安所は性奴隷制だという主張に反論するのは、論理的にはまったく一貫しないというべきでしょう。

hizzzhizzz2007/07/22 00:38短時間の書きなぐり文の素早く丁寧なフォロー、ありがとうございます。書き足りないアジア系移民とジェンダー運動の要約がこちらに>lish/faculty/sakamoto/s_amhistory4.doc

kmiurakmiura2007/07/23 09:23hizzzさん、リンクのURLが途中で切れているんで、

www.kufs.ac.jp/English/faculty/sakamoto/s_amhistory4.doc

でよいでしょうか。

ni0615ni06152007/07/23 09:50kmiuraさん、ご回答ありがとうございました。御礼が遅れてしまいました。
the UNHCR definitions of slavery defined by the 1926 Slavery Convention とは、
http://www.ohchr.org/english/law/slavery.htm で宜しいのでしょうか?
(間違いなければお答えには及びません)。

kmiurakmiura2007/07/23 09:57間違いありません。

kmiurakmiura2007/07/23 10:09あるいはこちら。

http://www.unhchr.ch/html/menu3/b/f2sc.htm
条約の文面は同じですが、こちらのほうは前文の部分がオリジナルで、
先のURLの方は戦後の改定のことなどが書かれています。

hizzzhizzz2007/07/23 20:02あわわわ(汗)、そうです。失礼しました。>http://www.kufs.ac.jp/English/faculty/sakamoto/s_amhistory4.doc

ni0615ni06152007/07/24 07:34knimuraさん重ねて御礼申し上げます
> http://www.unhchr.ch/html/menu3/b/f2sc.htm
条約の文面は同じですが、こちらのほうは前文の部分がオリジナルで、
先のURLの方は戦後の改定のことなどが書かれています。』
1930'sにワープしてものを考える際にはこちらを参考にします。

kmiurakmiura2007/07/24 10:50>hizzzさん
目の方は大丈夫ですか?などと余計な心配かもしれませんが、以前調子が悪い、といっていたので。

>ni0615さん
この奴隷条約は、キーワードにしておいた方がいいかもしれませんね。マクドゥガル報告書はそもそもこの条約に依拠して従軍慰安婦の犯罪性を論証している、という点がポイントなので。もし翻訳される、とかでしたらお手伝いします。

トラックバック - http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20070718