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日常生活では、どんな店屋の主人でもしごくあたりまえに、ある人が自分がこうだと称する人柄と、その人が実際にどういう人であるのかということを区別することぐらいはできるのに、わが歴史記述ときては、まだこんなありふれた認識にさえも達していないのである。それは、あらゆる時代を、その時代が自分自身について語り、思い描いた言葉どおりに信じ込んでいるのである。    『ドイツ・イデオロギー』

私家版・従軍慰安婦問題のリンク集(2008・8)

070530

[][] 従軍慰安婦と軍票 -慰安婦は高給取りか? 06:22 はてなブックマーク -  従軍慰安婦と軍票 -慰安婦は高給取りか? - kmiura  従軍慰安婦と軍票 -慰安婦は高給取りか? - kmiura のブックマークコメント

id:lunakkoさんの質問に一部、お答えしたいと思います(lunakkoさんのサイトへの返答も兼ねて)。なお、「ソースを示してください」という要望と、「長々と書かずに」という要望は同時に果たしがたいので以下長文になります。

Lunakkoさんは本サイトの07年5月21日のコメント欄で次のようにおっしゃています。

lunakko 『「前借金は朝鮮で払われますが、月収は勤務地で払われます。」のソースをください。妄想ですか?』

kmiura 『はじめまして。

お答えする前に、少々確認したいのですが、lunakkoさんがこうだ、と想定していらっしゃるのはたとえば「朝鮮徴用された慰安婦が、前借金を朝鮮で借うけ、そののちたとえば勤務地であるビルマで就労し、その月給は朝鮮で受け取る」というようなことでしょうか。』

lunakko 『はじめまして。どこの地域で受け取った場合でも良いです。慰安婦の方々は、稼いだお金を日本内地の銀行に預金されているので、内地にもって行けば価値は同じですね。』

kmiura 『受け取りは現地、ということでよろしいでしょうか。その後送金する。』

lunakko 『はい。内地物価と同じ日本円で支払われて、現地の軍票に交換する。それを日本内地へ送金する。これでかまいません。』

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20070521#c1179966354

まず「前借金は朝鮮で払われますが、月収は勤務地で払われます。」について検討してみます。あたりまえの話だと思っていたのですが、二度ほどlunakkoさんの要請がありましたので、少々丁寧に。まず、前借金についてですが、よく引用される日本人捕虜尋問報告書第49号ビルマミッチーナの慰安所に関する報告書)にはつぎのような一節があります。

1942年5月初旬、日本の周旋業者たちが、日本軍によって新たに征服された東南アジア諸地域における「慰安役務」に就く朝鮮人女性を徴集するため、朝鮮に到着した。この「役務」の性格は明示されなかったが、それは病院にいる負傷兵を見舞い、包帯を巻いてやり、そして一般的に言えば、将兵を喜ばせることにかかわる仕事であると考えられていた。これらの周旋業者が用いる誘いのことばは、多額の金銭と、家族の負債を返済する好機、それに、楽な仕事と新天地―― シンガポール――における新生活という将来性であった。このような偽りの説明を信じて、多くの女性が海外勤務に応募し、2、3百円の前渡金を受け取った。

 これらの女性のうちには、「地上で最も古い職業」に以前からかかわっていた者も若干いたが、大部分は売春について無知、無教育であった。彼女たちが結んだ契約は、家族の借金返済に充てるために前渡された金額に応じて6ヵ月から1年にわたり、彼女たちを軍の規則と「慰安所の楼主」のための役務に束縛した。

日本人捕虜尋問報告書第49号

http://members.at.infoseek.co.jp/ash_28/ca_i02_1.html

原文では、

RECRUITING;

Early in May of 1942 Japanese agents arrived in Korea for the purpose of enlisting Korean girls for "comfort service" in newly conquered Japanese territories in Southeast Asia. The nature of this "service" was not specified but it was assumed to be work connected with visiting the wounded in hospitals, rolling bandages, and generally making the soldiers happy. The inducement used by these agents was plenty of money, an opportunity to pay off the family debts, easy work, and the prospect of a new life in a new land, Singapore. On the basis of these false representaions many girls enlisted for overseas duty and were rewared with an advance of a few hundred yen.

The majority of the girls were ignorant and uneducated, although a few had been connected with "oldest profession on earth" before. The contract they signed bound them to Army regulations and to war for the "house master " for a period of from six monthes to a year depending on the family debt for which they were advanced

Japanese Prisoner of War Interrogation Report No. 49.

というわけで、前借金は当時の朝鮮で支払われました。一方、報酬はどうでしょうか。参考になるのは、ビルママンダレー駐屯地慰安所規定(昭和18年5月26日)です。アジア女性基金”資料集”4巻、281−293頁、 pdfでは p 245-256にオリジナルの資料をスキャンしたものがあるので、ご覧ください。ここでは重要なのは次の部分です。

p287

第二章 第九条

慰安所ニ於ケル料金ハ軍ノ定ムル軍票ニ依ルモノトシ其ノ他ノ物品ヲ以テナスコトヲ得ス

p293

別紙第三

慰安所ニ於ケル軍人軍属其ノ他使用者ノ守ル可キ注意事項

(中略)

三、 慰安所ニ於テ使用スル通貨ハ「ルピー」又ハ「ドル」軍票タルヘキコト

四、 料金ハ規定ノ料金表ニヨリ現金ニテ(まと?)メ支払ヒタル後遊興ヲナスヘキコト

最後の一文にあるように、料金はその慰安所で現金で支払われたのです。上記ふたつの証拠から「前借金は朝鮮で払われますが、月収は勤務地で払われます。」ということがおわかりになるでしょう。

次に、

lunakko 『はい。内地物価と同じ日本円で支払われて、現地の軍票に交換する。それを日本内地へ送金する。これでかまいません。』

という点についてですが、上のマンダレー駐屯地慰安所規定を参照にすれば、支払いは内地の円ではなく、ルピー、ないしは、ドル軍票で払うこと、となっているので、Lunakkoさんは思い違いをしていることになります。

なお、こうした占領地域での軍票の使用は、当時の政府の強い方針でしたので、マンダレーに特有な規則ではありません。

 (三) 通貨ニ付テハ当初ハ現地通貨標示ノ軍票ヲ使用シ現地通貨ト等価ニ流通セシメ、情勢ニ応ジ逐次現地通貨ト軍票トノ機能ヲ調整シ其ノ統一ニ進ム方針デアル

    従ツテ当分ノ間ハ本邦ト現地トノ間ニ特殊ノ場合ヲ除キ原則トシテ資金ノ移動ヲ認メザルコトトスルト共ニ資源開発等ニ要スル資金ハ現地ニ於テ南方開発金庫ヨリ円滑ニ之ヲ融通スルコトトナツテイル

南方経済処理ニ関スル件(議会ニ於テ必要アル場合進ンデ説明スル要旨)

昭和17年1月20日 閣議決定

http://www.ndl.go.jp/horei_jp/kakugi/txt/txt00374.htm

あるいは、次の新聞記事からも明らかです。

一、占領地と本邦間の資金移動の禁止=開発の進展に伴って今後本邦と占領地間に送金関係を生ずることになるが当分内地より現地向資金の移動は原則的に禁止し現地における所要資金は南方開発金庫に一元的に取扱わしめ、本邦側既存金融機関自由主義的な進出は差控えしめる

一、南方開発金庫の機能=南方開発金庫は開発資金の供給のみでなく現地における既存通貨と軍票との交換、預金の受入れによる通貨の調整はもちろんのこと将来南方諸地域と本邦間、南方諸地域相互間に為替取引が行われるような事態が生じた場合はその為替尻の決済調整作業も併せ行うもので当分の間金庫はわが南方通貨金融政策遂行上の中枢的機関たらしめる

占領地と本邦間の資金移動を禁止 大阪朝日新聞 1942.1.23(昭和17) より抜粋

この点をはっきりさせることがとても重要になるのは、どの単位で「給料」を比較すればいいのか、ということになるからです。すなわち”高給か?”というそもそもの問いです。ご存知のように、軍票の価値は日本が進軍してからどんどん下がりました。Lunakkoさんが思っているように、日本軍占領下のビルマで内地の日本円が使われていたならば、日本の兵士の内地における給料体系と直接その報酬を比較することは確かに可能かもしれまんせんが、軍票で払われているという事実があるので、単純な「両方とも円」という比較は不可能となるのです。そうなると、

●次に、論点のすり替えはやめてください。

現在の議論は、「慰安婦が高給取りであったか否か」ですよね?

長々と書かずに、慰安婦の給料が低かったという証拠を出してください。

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20070521#c1180174312

とLunakkoさんはおっしゃいますが、支払いが軍票(南発券、ないしは軍票ダラー)であった、という理由から私のこれまでの説明は論点のすりかえではないこことがおわかりいただけるでしょうか。軍票の価値、兌換性、送金のシステムはまさに価値を比較する上でのキーポイントになるわけです。

さらに次の質問も同様です。

●次に、38円以下の薄給(あなたのソースブログより)で2万円を越す貯金をためるのに必要な年月をお答えください。

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20070521#c1180174312

Lunakkoさんは、慰安婦への報酬が内地と同様の価値の円で支払われた、と思われているようなので、この一文のような混乱が生じることになります。scopedogさんが月に38円、と推定した値は、物価指数をつかって南発券の価値を円に計算しなおした値です。一方、二万円という値は、軍事郵便貯金に計上された値です。

この二万円という値がそのまま実勢レートにはならないことは、軍事郵便貯金等特別処理法(昭和二十九年五月十五日法律第百八号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO108.html にあるように、軍事郵便貯金の払い戻しには換算率が適用されたことからも明白ですが、解説のためにこの法律が審議に上った当時の質疑の記録を参照にします。軍事郵便貯金等特別処理法案の段階での国会質疑です。

○政府委員(小野吉郎君) 郵政大臣といたしましては、こういつた換算の率を独自にきめる権限を持つておりません。従いましてこういつたレートは日本の国としてとりました何かの基準を援用するよりほかないわけでありますが、この率はここ二年ばかり前でありましたが、在外公館借入金等の返済の際に、各地域の貨幣価値を日本のそれと比較いたしましてきめましたレートであります。それを一応そのまま適用のレートとしてとつたわけでありまして、今回、過般衆議院を通過しました閉鎖機関指定の銀行、又そうでない一般銀行の預金についてもそうでありますが、この支払いにつきましても、これと同様な換算の率をとつておるのであります。

第019回国会 郵政委員会 第12号

昭和二十九年四月三十日(金曜日)

なお、話題に何度ものぼっている二万六千円という貯金額についてですが、これを上記の処理法に基づいて計算すると、3700円ぐらいの払い戻しになります。同じ国会の質疑から、これはどちらかといえばささやかな貯金であろうことが伺えます。

○永岡光治君 これはおよその見通しで結構でございますが、これを実施されて一人の個人についてですが、最高どの程度くらい大体支払うことになりましようか。

政府委員(小野吉郎君) 大体十万円以内のものが大部分であります。多少それをオーバーするものがありますが、これは極く微々たる例外でありますので、まあ最高が十万円、ところがその最高十万円もパーセンテージとしては非常に少いのでありまして外地の郵便貯金に、これは野戦郵便、海軍軍用郵便所に預入せられたものではなく、一般の軍人軍属以外の同胞が郵便局に預けたものでありますが、これについて申しますと、大体今回の案で五千円まではパーで払われるような状況になつておりますが、それで行きますと、全体の約八割はこれで済むわけであります。八割ちよつと上廻りますが、そのくらいは大体額面通りパ一でもらえるというような計算であります。それを超えるものが何がしかの換算を受けるわけでありますが、これはまあ最高にいたしまして仮に十万円の貯金を持つておると仮定いたしますと、外地の貯金につきましては関東州が一円六十銭を一円に換算し、その他の地域は一円五十銭を一円、樺太はパーで行きますから、そういう関係で行きますと、仮にまあ一円五十銭を一円で行けば三分の一であります。五千円まではパーであります。残り九万五千円が三分の二になるわけであります。そういつた状況でありますので、さしたる犠牲を預入者にかけないで済むのじやないか、かように考えます。軍事貯金につきましては中国関係の預入が非常に多いのであります。北支、中支、南支が、これが全体の約九四%ばかりを占めております。而もその中で今回の換算率で行きますと、換算率の一番高いものと申しますか、中支地域でありますが、まあ二千四百分の一になるわけであります。尤も郵便貯金は終戦当時のレートで円表示になつておりますので、当時の百元を十八円に換算して通帳に記載してあります。そういつた関係で、通帳面で言えば二千四百分の一になるわけじやなく四百三十二分の一になるわけであります。これは丁度もとのものが二千四百分の一に換算される、このような結果になるわけでありますが、そういつた面で、中支方面の関係におきましては、かなり換算率によつて支払い金額は少くなりますが、これは儲備券が非常に下落をした、こういう実情に対応するものでありまして従つて仮に十万円の貯金を持つておりましても、額は非常に少くなるというような計算になるわけであります。

第019回国会 郵政委員会 第12号

昭和二十九年四月三十日(金曜日)

上の発言から軍事郵便貯金に計上された額面をそのまま内地の円として価値を同じに扱うのが間違っていることが改めて確認できます。また、5千円までが八割の人、とのことなので、3700円の払い戻しを受ける人は高給取りというよりも、普通の在外邦人の貯金額と考えるのが妥当ではないでしょうか。すなわちこれが結論です。

実際の価値がどのぐらいであったか、というより詳しい推定はscopedogさんの定量的な考察を私は信頼したいと思います。もしそれが信頼できぬ、というのならば、scopedogさんの考察の典拠である小林英夫著『日本軍政下のアジア -「大東亜共栄圏」と軍票-』をご自分で読んでみて、その上で該当箇所を批判してください。私は年末にでも日本に帰省したときに本を入手して確認します。

最後になりますが、まだ、お答えしていない点がいくつかあります。またお返事を書きますのであせらずしばしお待ちください。

あなたの勘違いについてあなたの勘違いについて2007/05/30 08:45lunakkoです。おはようございます。

ここまでで、あなた方の勘違いがよくわかりました。
現実は、
南発券(ここでいう軍票。外地の円、ここではルピー表示にしますね。ドルでもいいですが。)1ルピー=内地の円(1円)
です。
今から説明しますのであせらないでお待ちください。

例えば、内地に家族を持ち、外地(占領地。この例えでは、ビルマにしますね。)で20円の給料をもらう兵隊さんがいたとしましょう。
この兵隊さんは、内地の家族にお金を与えるため、内地(ちなみに、内地とは、現日本領土です。朝鮮半島は内地ではないですよ?)の家族に15円の給料を日本銀行券(円表示)で貰い(一円札なら15枚)、
自分は外地で働いているので、5円分の軍票(南発券。ルピー表示)=5円分の日本銀行券と同価値=1ルピー表示の南発券なら5枚 を、自分の使うお金として貰っておりました。
慰安婦の方々も、外地で軍票(南発券。ルピー表示)による給料を貰っておりました。
あなたのいうルピーやダラーというのは、表示単位のことで、「支払いが軍票(南発券、ないしは軍票ダラー)であった」ことに対しては、私と同意権です。

そもそも、軍票=南発券=南方開発金庫券を発行する目的は、占領した地域の元貨幣の代わりに、自国の貨幣である軍票=南発券を使用するためです。
よって、わかりやすくたとえで言うと、(あくまでも数字は例えです。揚げ足取りはいりません)

日本占領軍:この地域(ビルマとしますね)は日本が占領したので、元現地通貨(ルピー表示)の変わりに軍票=南発券=金庫券を使用します。なお、軍票と元現地通貨のレートは1:1です。大根一本は軍票1ルピー(南発券=内地の日本銀行券1円)=元現地通貨1ルピーにします。
日本占領軍:元現地通貨は敵兵の使用していたものです。今は、日本の占領地にあるので早く軍票に替えてください。私たちが軍票=南発券で大根を10000本買いますので、このお金を基にしてこれからは買い物をしてください。
地元の人A:そうなのですか!これからは軍票を使用します。
地元の人B:えー?急に言われても・・・。まだ、元現地貨幣も使えるのでこのままでいいですよー。
しばらくして
日本占領軍:レートが変わりました。大根一本は軍票1ルピー(南発券=内地の日本銀行券1円)=元現地通貨2ルピーにします。早く軍票を使用したほうがお得ですよー。
地元の人B:うわ!早く替えないと!損する!
地元の人C:えー?替えたくありませんよー。
日本占領軍:レートがまた変わりました。大根一本は軍票1ルピー(南発券=内地の日本銀行券1円)=元現地通貨4ルピーにします。早く軍票を使用したほうがお得ですよー。
地元の人C:え?すごい損するじゃないですか!替えますよ。

このたとえ話を理解し、あなた方の提示する資料以下(ここではドルですが)
「シンガポールの物価指数は開戦時の1941年12月を100とすると翌年12月には352、44年12月には1万0766、45年8月には3万5000と350倍になっている。特に米は開戦時、60キロが5ドルだったのが、45年6月には5000ドルと一千倍にもなっている。」
を解釈すると、
1ルピー軍票(内地日本銀行券1円)=1000シンガポールドルとなります。
その証拠は、あなたのこの資料が「ドル表示」だからです。この文章の前までは円表示でしたのに、円表示→単位なし→ドル表示と見事なトリックが使用されております。
騙されても仕方ありません。
また、戦時中どこでも起こる軽度のインフレ(物資が乏しいため)は起きているでしょう。
しかし、それは軍票の発行とは関係ありません。
何故なら、インフレが起きるのは、過剰な貨幣が市場に出回るからです。
この例えの場合、軍票と元現地通貨の二種類が市場に出回っておりますが、軍票が出回るに連れて、元現地通貨の貨幣価値はどんどんなくなっていってます。
よって、元あった流通通貨の量はさほど変わらないのです。
例えば、元貨幣で1000億円の流通があったと仮定すると、占領後は、1000億円の軍票+価値が1/1000の元現地貨幣(1億円相当)=1001億円の流通量となります。これも理解してください。

なお、慰安婦さんの給料は1ルピー軍票(内地日本銀行券1円)で支払われました。その証拠は、郵便局に「円」で貯金されているからです。

私の、ni0615さんへの返答をよく読めば、あなたの疑問は全て解決すると思われます。ni0615さんも、同じ考え方だったので。

あなたの各文章には、あなたの投稿が終わった後で間違いなどを指摘しますね。

kmiurakmiura2007/05/30 09:27そちらとは逆にこれから寝るんで、簡単にお返事ですが、

うーむ、どこから説明したらいいのか。軍票でもインフレはおこります。というか、日本の軍票がインフレを起こした、というほぼ規定となっている歴史的事実を反証するのはムダです。小林英夫著『日本軍政下のアジア -「大東亜共栄圏」と軍票-』にしても新書ですが、読んでみたら論証してあるでしょう。ぜひアマゾンで買ってください。本当にいろいろ知りたいらしいことがわかりましたが、まともな本を読む必要があるように思います。もし学生でお金がないのだったら、はてなポイントで差し上げてもいいです。

日本の軍票がだぶつく様子は、ビルマにおける戦前戦後のビルマ・ルピーと日本の軍票(軍票ドルおよびその後継である南発券)の交換レートからもわかります。

By the regulation of 15 March 1943, the Burmese rupee continued to be legal tender, as a Japanese tactic to win local support, but the rupee was inconvertible into pound sterling. Limited amounts of (Burmese) Indian rupees were apparently accepted by the Japanese at 4 (Burmese) Indian rupees = 1 Japanese military rupee.
(中略)
The British demonetized Japanese occupation currency on 1 May 1945. The market exchange rate had fallen to 100 Southern Development Bank rupees = 1 Indian rupee.

http://www.globalfinancialdata.com/index.php3?action=showghoc&country_name=Myanmar
これは、世界の通貨の歴史を詳述したサイトからの引用です。

なお、シンガポールの例は”傍証”です。日本の軍票がどこでもインフレを起こした、ということで。

あと、国会の議事録も検索してみてください。

ところで、このコメントは前日分のインフレに関する項に対するコメントではないでしょうか。

lunakkolunakko2007/05/30 10:05 kmiura さん、おやすみなさい。
時間が無いので一言だけ、この、
http://www.globalfinancialdata.com/index.php3?action=showghoc&country_name=Myanmar
これは、世界の通貨の歴史を詳述したサイトからの引用です。
は、本当にこの事例を出していいのですね?確認です。後で恥をかけばかわいそうなので。

kmiurakmiura2007/05/30 20:56お気遣いありがとうございます。事実は事実です。

いくつか確かめたいのですが

1、 『軍票が出回るに連れて、元現地通貨の貨幣価値はどんどんなくなっていってます。』

これには根拠(出典、あるいはリファレンス)がありますか。あるいはなんらかの状況に基づく推測でしょうか。

2、『なお、慰安婦さんの給料は1ルピー軍票(内地日本銀行券1円)で支払われました。その証拠は、郵便局に「円」で貯金されているからです。』

本文で私が引用した国会議事録にあるように、軍事郵便貯金が内地の円に換算されたのは、終戦後です。それまでは、いわば円(南発券)というカッコつきだった、ということが議事録からわかります。

kmiurakmiura2007/05/30 21:24あと、インフレについてもうすこし情報。別の人の書評ですが

小林英夫  『日本軍政下のアジア -「大東亜共栄圏」と軍票-』
>>
その後、軍票の発行枚数が飛躍的に増える。東南アジアの各地で用いられてきた南洋開発金庫券の発行高は、1942年12月でおよそ4.6億円であったが、終戦を迎えた1945年8月時点で194.7億円にまで膨れ上がっていった。となると当然、インフレが発生する。同書が引用している資料によると、開戦時の1941年12月を100とすると、終戦時(1945年8月)の物価はおよそ50,000弱、つまり500倍のハイパー・インフレ状態だった。1円だったものが、4年弱で500円近くになったことになる。軍票の価値は500分の1になったというわけだ。
<<
http://uiam.at.webry.info/200705/article_21.html

とあります。

lunakkolunakko2007/05/30 23:11了解しました。
では、あなたの出した資料を見ていきましょう。

By the regulation of 15 March 1943, the Burmese rupee continued to be legal tender,
as a Japanese tactic to win local support, but the rupee was inconvertible into pound sterling.
Limited amounts of (Burmese) Indian rupees were apparently accepted by the Japanese
at 4 (Burmese) Indian rupees = 1 Japanese military rupee.
(中略)
The British demonetized Japanese occupation currency on 1 May 1945.
The market exchange rate had fallen to 100 Southern Development Bank rupees = 1 Indian rupee.

http://www.globalfinancialdata.com/index.php3?action=showghoc&country_name=Myanmar

英語はわかるのですが、一応、エキサイトで訳すと、
1943年3月15日の規則で、ビルマのルピーは、地方のサポートを得るために日本の戦術として法定貨幣であり続けましたが、
ルピーはポンド貨に引換え不能でした。 明らかに(ビルマ)のインディアンのルピーの数量限定を日本の軍事の1
4時の日本(ビルマの)のインディアンのルピー=ルピー受け入れました。
中略
イギリス人は1945年5月1日に日本の軍票に資格を失わせさせました。
市場為替レートはインディアンの南部の100Development Bankルピー=1ルピーに落下しました。

になりました。

●私が簡単に訳す+時系列を入れて注釈もつけると・・・

1943年3月15日(昭和18年)日本の軍票の1 =インディアンルピー(元現地通貨)4
日本の占領中。日本が軍票を通貨にし、元現地通貨の価値1/4に激減。

1945(昭和20)年ビルマ国軍離反 3月17日、日本軍撤退
イギリスがビルマを占領

1945(昭和20)年5月 日本の軍票100=インディアンルピー(元現地通貨)1
イギリスから見ると日本の軍票は敵国貨幣なので廃止させ、日本軍票の価値1/100に激減。元現地通貨復活。


私の上記の主張とどこが矛盾するのか、教えていただきますか?
イギリス占領下で、日本軍の軍票がだぶつくのは当たり前と思われますが?
これがインフレですか?

※また、1945(昭和20)年8月以降は、アメリカが日本を占領しています。
日本の軍票も日本の銀行券も価値が激減したのは当たり前です。アメリカから見れば敵国の通貨ですから。

>同書が引用している資料によると、
どのような資料ですか?きちんと、円ベースで書いてあるのですか?
前の書き込みのようにドルではないのでしょうね?
資料の提示を求めます。

kmiurakmiura2007/05/31 00:38
1、過去形のdemonetized に対してThe market exchange rate had fallen toは過去完了ですね。より過去から現在に近いその過去に向けて、と読むのが正しいでしょう。そんなわけで1945年5月1日にがくっと下がったわけではないこと、おわかりでしょうか。

2、岩波新書は日本ならば簡単に手に入ります。ご自分で見てください。

ni0615ni06152007/06/02 12:09私の曖昧な類推がlunakkoさんの応援になっているようで苦笑しています。
>(lunakkoさん)私の、ni0615さんへの返答をよく読めば、あなたの疑問は全て解決すると思われます。ni0615さんも、同じ考え方だったので。

私がかねがね疑問だったのは、慰安婦のお姉さんがたの持っているルピーの軍票(南発券)がどうして、軍事郵便貯金で日本円兌換の貯金になるのか、ということでした。しかし、この疑問はkmiuraさんが調べだした上掲の資料で氷解しました。ありがとうございました。

>この二万円という値がそのまま実勢レートにはならないことは、軍事郵便貯金等特別処理法(昭和二十九年五月十五日法律第百八号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO108.html にあるように、軍事郵便貯金の払い戻しには換算率が適用されたことからも明白ですが、

つまり、軍事郵便貯金の払い戻しには、地域地域の、現地通貨:日本内地円との実質レートに応じた換算率があった。とういことですね。軍事郵便貯金2万円は日本円2万円としては降ろせなかったということですね。

ということは、軍票の実勢価値、ビルマ-タイ軍事郵便貯金の実勢価値を考えれば、文玉珠さんが高給取りだったとはいえない、ということがはっきりしました。文玉珠さんの500円と日本兵の20円を比べるには、軍票の実勢レート、軍事郵便貯金の実勢レートで換算しなければならない、ということです。

lunakkoさんは最後に
>(lunakkoさん)> 本文で私が引用した国会議事録にあるように、軍事郵便貯金が内地の円に換算されたのは、終戦後です。それまでは、いわば円(南発券)というカッコつきだった、ということが議事録からわかります。

とおっしゃっていますが、私には lunakkoさんが仰るこの意味がよくわかりません。lunakkoさんは、慰安婦たちが純正の日本円を受け取っていた、と今でも思っている、ということでしょうか。もしそうなら、ビルマ在の慰安所楼主などの証言がはっきり軍票(ルピー)を貯めたと証言してますので、それは成立しません。

kmiuraさんに1点だけ伺います。文玉珠さんのばあい、もしその国会以後、円に換金できたとすると、別表の甲乙丙、どれに対応したのでしょうか?

kmiurakmiura2007/06/02 23:03今時間がないんでざっと。

貯金と送金の関係は私が把握しているかぎりでは、

銀行に貯金(横浜正金銀行とか、おそらく台湾)このときに換算レートがすでにかかる。で、額面は換算後の円になる。(これは陸軍の書類があって、あとでアップします)

送金するときには、そのままの円。(ただし制限つき。月800円だったかな。ゼームスさんが前に出してくれた、ミッチーナの女衒(楼主)の発言にあります)

戦後の換算は、上の貯金の際の換算ではだめなので(終戦直前直後のハイパーインフレのためらしい)さらに額面から引く。本文で書いた法律はこの最後の部分です。文さんが2万円を預金したのはこの時期なので、つじつまはあいます。また、本文の論理は、すべての預金者の預金を戦後のある一定の法則で換算した後、それらの中で文さんの預金高はこの程度です、ということです。lunakkoさんは、それを終戦後だから関係ない、と判断したようです。

抑える点はあと兵士の給料の方かな。

kmiurakmiura2007/06/02 23:04甲乙丙については、元の文書をみてすぐにお返事します。

kmiurakmiura2007/06/02 23:34甲と乙です。丙までいくほどの貯金ではなかったということでもあります。
あと、情報交換のためちょっと私の方にメールいただけるでしょうか。一緒にしらべたいことがあるのです。個人ページのkom's logというタイトルのすぐ下、profileのところに入ると、書いてあります(あっと
を @ に変えてください)。おまちしています。