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51zames_makizames_maki   1  シンポジウム「歴史と責任」とはどんなもの?

シンポジウム「歴史と責任」メモ

以下は2008年7月20日東京外語大で開かれた慰安婦問題に関するシンポジウム「歴史と責任」のメモである。

このシンポジウム慰安婦問題を一つの柱に、戦争責任植民地責任を未だに日本国が引き受けていない事を中心に世界的な過去の克服(過去の過ちの明確化・責任)に関する本であり、合評会の形でその執筆者が一同に会して話しあったものだった。


本:歴史と責任―「慰安婦」問題と一九九〇年代、金冨子・中山敏男編集、青弓社、2008http://www.seikyusha.co.jp/books/ISBN978-4-7872-3286-1.html


感想:慰安婦問題にある程度知識のあるzames_makiには、概ね妥当で論理的に当然の話だと思った。ただ過去の克服が世界的な動きであることは知らなかった。発言者はほぼ全て学者であり、シンポジウムのため短い発言だがその背後にはそれを支える研究があるのは言うまでもない。VAWW-NET ジャパンの西野瑠美子氏はシンポジウムの基調発言を行い朴裕河批判(偽の和解批判)など、中心的存在だと感じた。


全体印象:会場は休日の大学で屋外は人気はなかったが、中は若い女性が多くまた韓国の方も多く賑やかだった。休憩時間には活発な情報交換が行われていた。会場は100名程度入る会議室で6割程度埋まったろう。非常に発言者の多いシンポジウムでスケジュールが押したが、最後のQ&Aまで中野敏男氏はきちんと進行させていた。休憩時間には韓国のローソクデモを伝える韓国のTVニュースが流されており、これが民主主義を求める運動であると日本のメディアでは伝えられていないこと、朝日新聞などの大手メディアでは暴徒による暴動と完全な間違いで伝えられていることを中野氏は強調していた。


シンポジウム内容:全体は本の内容に沿ったものだが、そこで強調されていたことは以下だと感じた。


(1)1990年代とは世界的に戦後責任(過去の過ちを明確にし責任を問うこと)が問われた時代であり、植民地主義独裁体制、戦時暴力への責任が問われた。日本の慰安婦問題はその一つである。慰安婦問題は偽の和解が演出されているが、真の解決に向けての闘争宣言としてこの会は開かれた。

(2)日本では歴史問題を矮小化してメディアが伝えている

(3)すべきなのは「戦後」の悪を明確にすること、戦中に続く植民地主義人種差別があることを告発し明らかにし、解決すること。

(4)アジア女性基金は解決ではない、女性国際戦犯法廷は正義の実現のための意味ある取り組みだった。朴裕河は無理に和解させ問題を終わらせようという、大メディアの不正義だ

(5)日本の戦後賠償はまやかしである。金銭供与せず事業提供の形にして実際には日本の戦後復興の為の資源にした。無賠償になった。事実、賠償庁はそのあと外務省経済協力局へなりODAを行う部署になった。

(6)女性を犠牲にする男性間の和解がみえる

(7)和解のおしつけが行われている、日本は慰安婦問題で赦しを請う立場だが自身で「良し」としているが、デリダは「赦しは他者から行われるものだ」としている、つまり日本が今言う赦しとは偽である。また最悪な例が1993年オスロ合意であり、シオニズム人種差別ではないとされ、それに沿ったイスラエルパレスチナの合意が求められた。

(8)朴裕河は著書で「日本側政治家に悪意はなかった」と書いたが、安倍晋三など関与した政治家は多くが右翼団体日本会議に参加しており、その会の主旨は東京裁判での日本の責任さえ否定するものであり、悪意があるのは明らかだ。

(9)アジア女性基金を肯定する大沼保昭は、日本が法的責任を取るのは無理、むしろ道義的責任を取るのが大事だから金を渡すのが和解だという。しかし法的責任を取る方こそ大事なのではないか?

(10)慰安婦問題は民族問題(日本人の朝鮮人への差別)でもある。日朝平壌宣言は日本の植民地(支配)責任が放棄されるいびつなもの、戦後の朝鮮への日本国家の暴力である。この本にも織り込まれていない。

(11)朝鮮の方が日本より男尊女卑的と批判するが、家父長制は植民地主義の産物で、日本が朝鮮植民地にする際、家父長制を一緒に押し込んだのではないのか?

(12)NHKは2001年番組改ざん事件を起こしたが、2007年10月放送した北朝鮮の帰国者のドキュメンタリー北朝鮮帰国船」http://www.nhk.or.jp/special/onair/071008.htmlでも怪しい事をしている。帰還事業が朝鮮総連の責任と描きその責任者の悔悟の表情を写したが、そこには明らかに嘘がある。

(13)朴裕河が日本で評判がよいのは日本の右翼が言いたいことを、「韓国」の「女性」が言ったからだろう


発言者:1中野敏男:編者からのこのシンポジウムの目的説明、2西野瑠美子(VAWW-NET ジャパン):基調発表、3韓洪九(韓国過去精算運動から)、4内海愛子(日本の賠償とは)、5鵜飼哲(評者として)、6岡野八代、7鄭栄桓(一橋大博士課程)、8大川正彦、9矢野久、10菊池恵介、11米山リサ、12板垣竜太、13金栄、14宋連玉、15池田恵理子、16会場

時間:13:30~18:45

返信2008/08/03 18:24:21