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71zames_makizames_maki   65  鈴木裕子氏による厳しい批判

女性史研究家鈴木裕子氏による朴裕河「和解のために」批判

2008年3月16日 第1回日本軍慰安婦」問題研究韓日共同セミナー 韓国ソウル市、での講演より抜粋

<はじめに>

率直に言って朴裕河氏の『和解のために』のレベルはどうみても高くない、基本的な事実や認識の誤りなど致命的な欠陥が相当程度ある。それにも関わらずリベラルないし進歩派、さらには「フェミニスト」を自認している一部知識人や大手言論機関が激賞している。その背後になんらかの意図や企みが働いているのではないかと私は考える。

<日本における朴裕河現象>

朴裕河の『和解のために』が2007年度の大仏次郎論壇賞を受賞したことは「はじめに」でふれたが、この著作の大きな特徴の一つは、「国民基金」への高い評価と韓国挺対協に対する強い批判がセットになっていることがあげられる。*1


『和解のために』については金富子氏がすでに周到な批判を展開しており、わたくしも金富子氏の所論に全面的に賛同するものであり、詳細は同士の論文に譲りたい。*2


ただここで問題にしたいのは、基本的な事実や認識において誤認が多いこの本が、日本の論壇界でなぜかくも高い評価を受けるに到ったか、という点である。大仏次郎論壇賞の選考委員たちは(ちなみに委員5人全てが男性である)も、揃って「まれにみる優秀作」「丹念な分析」「手堅く事実確認を行い、実像を俯瞰的に描き出して見せた」「膨大な歴史資料を探って事実確認を行い、実証的に事実に向かい合う知力と根気」「さまざまな立場からの攻撃を恐れず自らの言論を貫く胆力」(朝日新聞2007年12月16日)と絶賛している。


歴史研究者ならずとも、朴裕河氏のこの著作を「丹念」に読むならば、「手堅く事実確認」云々や「膨大な歴史資料」云々からは程遠い印象を受けよう。また韓国と日本のナショナリズムを同列におき、それぞれの歴史的背景を精査せず、事実の上においては、韓国ナショナリズム批判により力点をおいている。朴氏のこのような特徴をもつ著作は、日刊の和解ムードづくりに対してはすこぶる好都合な素材を提供していると言えよう。しかし真の「和解」のための、原因の究明、歴史的事実の直視、共有化を通して日韓の市民・民衆レベルの地道な取り組みを行っている者たちにとっては、朴氏の著作は欺瞞的なものとしか写らない。


朴氏の受賞が伝わるや、前期の大沼保昭*3の祝意を表する論考が授賞式翌々日の朝日新聞(2008年1月31日)に掲載されたりするなど、「出来レース」の感もする。


要するに朴裕河氏の『和解のために』は日本支配層や政治エリートたちにとっては、「偽りの和解」醸成にはもってこい、の著作だと言える。挺対協批判のため「当事者性」を謳いつつ実際は被害者当事者の存在を周縁化させ、無視し、事実の上において貶めているものと言えよう。

*1:別項の『和解のために』抜粋を参照されたい

*2:別項にリンクあり

*3鈴木裕子氏は同講演でアジア女性基金を厳しく批判している、又「国民基金」の元理事の大沼保昭氏の『慰安婦問題とは何だったのか』をあげて大沼氏には植民地主義的思考と女性蔑視意識があり、挺対協や韓国の女性運動を韓国ナショナリズムの権化として非難している事を指摘して非難している

返信2008/04/07 19:03:53
  • 71鈴木裕子氏による厳しい批判 zames_makizames_maki 2008/04/07 19:03:53
    女性史研究家鈴木裕子氏による朴裕河「和解のために」批判 2008年3月16日 第1回日本軍「慰安婦」問題研究韓日共同セミナー 韓国ソウル市、での講演より抜粋 <はじめに> 率直に言って朴 ...