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2008-08-11

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安秉直氏による原文

調査に参加して

安秉直(ソウル大学経済学部教授・植民地経済史)


 私がこの調査に参加するようになった動機は、とても単純なことだった。たとえ対象が異なるとはいえ、私も植民地時代を研究している者として、軍慰安婦の実体がどんなものだったのかを知りたかったし、また韓国国内では軍慰安婦と女子挺身隊の事実をきちんと把握すらできないまま、この問題に対処しているのではないかという憂慮があったためである。私個人としては、すでに昨年春から軍慰安婦に関する既存の研究と資料の収集・検討を始め、『毎日新報』と『京城日報』に載った女子挺身隊に関する記事を収集したりしていたが、既存のものだけでは両者の関係を明らかにするには不十分であるいうことに気付くようになった。

 なぜなら、女子挺身隊に関する資料は比較的豊富で、またそれが秘密に取り扱われたものではないため、その実体をたやすく把握することができるが、軍慰安婦は既存の研究と資料だけではその実体を明らかにできない部分が多すぎたからである。こうして、私は軍慰安婦の実体をもう少し明確に知るためには、現在生存している元軍慰安婦の聞き取り調査をしなければならないということを切実に感じるようになったのである。

 去年の手帳を開いてみると、「6月10日9時、阿峴(アヒョン)駅プラットホーム」と書いてある。そこで鄭鎮星教授に会って、阿峴洞にあった挺身隊問題対策協議会に行ってみると、尹貞玉先生をはじめ挺身隊研究会の会員たちが続々と集まってきた。まず、調査項目と軍慰安婦・女子挺身隊の年表を作成し、共同で検討するかたわら、研究・資料目録の作成と資料収集作業を私も先頭に立って同時に進行させていった。今になって振り返ってみれば、不十分な点も多々思い当たるが、おおよそ予定どおりに作業が行われた結果、それぞれの調査者たちは、軍慰安婦とその時代の事情をある程度把握したうえで、調査作業に臨むことができた。調査課程でわかったことだが、こうした事前の準備があったために調査が順調に進行できたようである。軍慰安婦のような複雑な問題を調査するにあたっては、この問題に関する事前の知識が不可欠なものであったからだ。

 手帳をさらにめくると、6月10日以降9月中旬まで毎週「12時、挺身隊研究会」と記録されている。始まりの時刻は午前10時と午後2時が多く、場所は挺対協事務室か落星岱(ナクソンデ)研究室がほとんどであった。今考えてみても調査者たちは本当に一生懸命調査にあたったと思う。午後10時に始めて午後6時まで調査を検討したことも一度や二度ではなかった。調査を検討するうえで非常に難しかった点は、証言者の陳述がたびたび論理的に矛盾することであった。すでに50年前のことなので、記憶ちがいもあるだろうが、証言したくない点を省略したり、適当に繕ったりごちゃまぜにしたりということもあり、またその時代の事情が私たちの想像を越えていることもあるところから起こったことと考えられる。

 この中でも調査者たちを困らせたのは、証言者が意図的に事実を歪曲していると思われるケースだった。私たちはこのようなケースに対処するために、調査者の一人ひとりが証言者との間に信頼関係を築くことによってそのような困難を克服しようと努力した。そうして大部分の場合は意図した結果を得ることができたが、どうしても調査を中断せざるを得ないケースもあった。こんな場合は、次の機会に再調査することを約束するしかなかった*1

 私たちが調査を終えた19人の証言は、私たちが自信を持って世の中に送り出すものである。私たちの間でも、調査の初期にはお互い違った調査態度をとることもあったが、最後には真実をそのまま明らかにすることを最大の原則にするということに全員が同意した。特に、軍慰安婦問題は植民地時代の最大の屈辱ともいえる問題であるだけに、この問題にどうやって対処するのかということは本当に重要な問題だと考えたためである。すなわち、真相の究明こそが、この問題に対処できる最も重要な原則にほかならない。それゆえ、私たちは真実をありのままに把握するために、1人の証言者に対して大体5、6回以上の面接調査を行なった。

 この過程で、私たちは証言の論理的信憑性を裏付けるよう、証言の中で記録資料で確認できる部分はほとんど確認した。それでもなお、この調査に、いたらなかった点がまったくなかったとは断言しない。なぜなら、軍慰安婦の生活のような、人間以下に扱われた経験をありのままにすべてさらけだして証言するということは、誰にでも難しいことであり、またこのような調査を短い期間のうちに行なうことも無理があると思うからだ。不足している点は、もっと深みのある個別調査によって、補充されることを期待する。


   1993年1月


韓国挺身隊問題対策協議会・挺身隊研究会 編、従軍慰安婦問題ウリヨソンネットワーク訳『証言‐強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち』、明石書店、1993年、6~8 ページ

(強調は引用者による。漢数字は適宜、算用数字に改めた。以下同じ)


西岡力氏によるトリミング

http://www.ianfu.net/opinion/nisioka.html

韓国のソウル大学の韓国史学者として著名な安乗直教授(現名誉教授)がキャップとなって挺身隊研究会というプロジェクトができ、当時「慰安婦」として名乗り出ていた四十数人の人たちに本格的な聞き取り調査を行いました。

その後、安教授らは調査の結果を「証言集」として本にまとめますが、その中にこう書いています。

調査を検討するにあたってとても難しかった点は、証言者の陳述が論理的に前と後ろが合わない場合がめずらしくなかったことだ。このような点は、すでに五十年近く前のことであって記憶の錯誤から来ることもありうるし、証言したくないことを省略したり適当にまぜこぜにしたりすることから来ることもありうるし、またその時代の事情が我々の想像を超越するものかもしれないという点もあった。

この中でも調査者たちをたいへん困難にさせたのは、証言者が意図的に事実を歪曲していると感じられるケースだ。我々はこのような場合に備えて、調査者一人一人が証言者に人間的に密接になることによってそのような困難を克服しようと努力し、大部分の場合に意図した通りの成果を上げはしたが、ある場合には調査を中断せざるを得ないケースもあった。このような場合は次の機会に再調査することを約束するしかなかった

九二年、九三年に日本が謝罪している最中でも韓国の学者は、「意図的に事実を歪曲していると感じられるケース」があったと書いているのです。

これは四十人を対象にしている調査でしたが、本にまとめることができたのは十九人でしかなかった。半分以上の人ははじいたのです。しかも、その中でも自分で「強制」だったと言っている人はたった四人です。四人のうち、一人は韓国の釜山で「強制」され、もう一人は日本の富山県で「強制」されたと言っている。しかし、戦地でない所に軍の「慰安所」はありませんから、それだけでこの証言がおかしいことがわかります*2

後の一人は、日本政府を相手どった裁判で訴状を出しているのですが、訴状ではいずれもキーセンなどとして「身売り」されたと書いている。つまり、過去の証言と違うことを、言っているのです。この二人の証言者のうち、一人は金学順さんです*3


(中略)


安教授の行った聞き取り調査の「証言集」を韓国の外務省の課長が日本の外務省の課長に「これに全部入っています」と、いわばお墨付きで渡しています。韓国が自信を持って渡した「証言」でさえ、このようなものです


櫻井よしこ氏によるトリミング

http://www.ianfu.net/opinion/sakurai-yoshiko.html

女性たちの証言を信じ難いとする評価は日本人だけのものではない。韓国においても同様の見方がある。九三年、二月に出版された『強制で連れて行かれた朝鮮人軍慰安婦たち証言集1』((引用者注:西岡力が翻訳したタイトル))(韓国挺身隊問題対策協議会・挺身隊研究会編)は、四十余人を対象に調査を実施した。調査に参加した安秉直・ソウル大学教授はこう書いている。

調査を検討するにあたってとても難しかった点は、証言者の陳述が理論的に前と後ろが合わない場合がめずらしくなかったことだ」「調査者たちをたいへん困難にさせたのは、証言者が意図的に事実を、歪曲していると感じられるケースだ。我々はこのような場合に備えて、調査者一人一人が証言者に人間的に密接になることによってそのような困難を克服しようと努力し、大部分の場合に意図した通りの成果を上げはしたが、ある場合には調査を中断せざるを得ないケースもあった」(西岡力氏『闇に挑む!』徳間書店)

韓国の人々の目にも疑問が残った女性たちの証言を前にして石原氏が懸念したことのひとつは、日本が強制を認めた場合、それが後々、新たな補償問題につながっていく可能性だった。


なお、両氏が「強制」と「強制連行」を厳密に分けて使っているわけではないことにも留意されたい。


証言の信憑性についての吉見義明氏の解説

 たしかに、元慰安婦の証言では、話すたびに細部が変ることがよくある。また、記憶があいまいな部分も少なくない。だからといって、まったく信用できないというのは、おかしい。記録を残すことができなかった差別された人々や、少数者や民衆の歴史は、ヒアリングによらなければ、描けないことが多いからである。

 大事なことは、証言の信用できる部分と、信用できない部分を区別し、信用できる部分を積み上げて、事実に迫っていくことだ。

 じつは、このような方法は、元慰安婦の証言だけでなく、すべての証言や記録・文書を用いる場合、必要な手続きだ。このような方法を史料批判という。

 たとえば、ある政治家の回想記を資料として用いる場合を考えてみると、そこに書かれているこをすべて事実だと思う者はいないだろう。回想記を書いた時点で、自分にとって都合の悪いと思われることは隠されるか、歪曲されているだろう。失念や記憶違いもあろう。だから、信用できる部分とそうでない部分を区別し、他の資料がある場合、それとつきあわせる。当時の時代背景を考慮し、ありえない部分は落とすことになる。また意図的にウソをついている場合は、なぜそのようなウソになるのかを考える。これは、真実に迫る手がかりになる場合がある


吉見義明・川田文子 編著『「従軍慰安婦」をめぐる30のウソと真実』、大月書店、1997年、73~74ページ


 ・・・被害に遭った女性たちの証言は証拠にならないかというと、そんなことはありません。たとえば、現実の裁判を見てみますと、書証として、書かれたものとして残っているものは、多くの場合、非常に限られているわけです。そこで、陳述・尋問によって事実関係を確定していくわけですが、その場合に、裁判では反対尋問が必ず行なわれます。そして反対尋問に耐えた証言は証拠になるのです。

 歴史学でいいますと、この反対尋問に該当するのは史料批判ということになります。書かれた資料、当時書かれたもの、それからその後に書かれたものだけではなくて、証言も当然、史料として用いられます。これらを使わなければ、歴史は、特に現代史は書けないというのが、われわれにとっては常識であるわけです。

 その場合に、書かれたもの、文書資料であっても、証言であっても、必ず史料批判というのをわれわれはします。そして、その史料批判に耐えたものは事実として採用できる。それを組み立てて、歴史的関係を確定し、歴史像を再構成していくということになるのです。

 その意味では、文書資料と証言には、証拠の価値あるいは史料の価値に、どちらがより価値が高いという、その高低の差はないことになります。反対尋問に耐えた、あるいは史料批判に耐えた証言は、十分証拠として使えるということになるわけです。それだけではなく、被害の実相は、加害者の証言によって解明できることは少なく、被害者側の証言によって初めて明らかになるということがたくさんあるのです。


日本の戦争責任資料センター、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」 編『ここまでわかった! 日本軍「慰安婦」制度』、かもがわ出版、2007年、19~20ページ

*1:現在、証言集は第6集まで刊行されている。第2集は日本語版があったようだが、現在入手困難。第1集で掲載されなかった元「慰安婦」の証言および、新たに調査対象となった元「慰安婦」の証言は第2集以降。第2集では、「女子勤労挺身隊」制度による動員にも関わらず、「慰安婦」にされた女性2名の証言がある。高崎宗司『「半島女子挺身隊」について』、アジア女性基金、1999年、を参照されたし

*2:引用者注、一人は女子勤労挺身隊として富山の不二越に「強制連行」されたが、その後逃げ出した際に警察に捕まり長野県松代の「慰安所」で「慰安婦」にさせられた。もう一名についても、釜山の遊楽街に軍専用の買春施設があったことが確認されている

*3:金学順さんがキーセン検番に身売りされたことは確かだが、年齢が満たずにキーセンとしての営業許可が下りなかった。中国に営業先を求め、義父らと渡ったが、北京で軍人に強制連行され、慰安婦にされた。西岡氏はその部分を書いていない。詳細はid:yamaki622さんの「blog 色即是空」 秦郁彦が金学順さんの証言をでっち上げ(3)を参照されたし

kmiurakmiura2008/08/12 03:18もはや立派なDJですね。

StiffmuscleStiffmuscle2008/08/13 09:26>kmiuraさん
櫻井さんは有名なので、妨害電波発信源だというのはわかりやすいんですが、西岡さんは有名ではないし、専門家は彼のことをまったく相手にしていないようなので、ユンユンなことがわかりにくいんです。彼の著作を読むと、トリミングや変な解釈の連続で頭痛がするんですが、西岡さんがこれらを、秦先生のように、意図的にやっているのかについては疑問を感じています。

BetyhBetyh2012/10/29 22:08This is an article that makes you think "never tuhhogt of that!"

iwvuhbjyiwvuhbjy2012/10/30 22:32c7Iaou <a href="http://sqvqgeymaadh.com/">sqvqgeymaadh</a>

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2008-07-22

国会に出てきた『奴隷条約』 その5 国会に出てきた『奴隷条約』 その5 - Stiffmuscle@ianhu を含むブックマーク はてなブックマーク - 国会に出てきた『奴隷条約』 その5 - Stiffmuscle@ianhu 国会に出てきた『奴隷条約』 その5 - Stiffmuscle@ianhu のブックマークコメント


参議員内閣委員会 平成14年12月12日

155-参-内閣委員会-12号 平成14年12月12日


○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。

 戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を議題とし、参考人の方々から意見を聴取いたします。

 参考人を御紹介いたします。

 中央大学法学部教授横田洋三君、神戸大学大学院国際協力研究科助教授戸塚悦朗君、以上の方々でございます。

 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところを当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。

 本法律案につきまして、両参考人から忌憚のない御意見をいただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、議事の進め方について申し上げます。

 まず、両参考人から、横田参考人、戸塚参考人の順に、お一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、まず横田参考人からお願いいたします。横田参考人。


○参考人(横田洋三君) 委員長、ありがとうございます。おはようございます。

 本日、参考人として、戦時性的強制被害者問題の解決促進に関する法律案につきまして、私の意見を述べる機会を与えられまして大変感謝いたします。また、この法律案の発議者、そして賛成者、いわゆる慰安婦問題につきまして真摯に解決の方向に向けて御尽力してこられたということについては心より敬意を表したいと思います。

 最初に、私の本案件、すなわちいわゆる慰安婦問題につきましてどういうかかわりを持ってきたかという背景をごく簡単に御紹介させていただきたいと思います。

 まず、この問題が国際的な場面で取り上げられましたのは、私が代理委員として出ておりました国連の人権促進保護小委員会の場で一九九一、二年のころでございます。そこでこの問題が、もう一人の参考人として今朝出席しておられる戸塚先生その他の方々の御活躍もありまして、人権小委員会の場でずっと議論、審議が続けられてきているという背景がございます。

 なお、この人権小委員会における審議の状況につきましては、本日お配りしました私の原稿でございますけれども、「国連人権小委員会における「慰安婦」問題審議の状況」というものを御参照いただきますと有り難いと思います。

 二番目には、私は専門として国際法それから国際人権法を研究してまいりました。この立場から慰安婦問題というのは極めて重要な問題提起をしておりまして、我々国際法学者が真剣に取り組み、適切な答えを出していかなければいけない問題だと考えておりまして、その点からもこの問題に関心を持っておりました。

 三番目に、そういった経緯もございまして、一九九五年に日本政府がイニシアチブを取りまして作りました女性のためのアジア平和国民基金、いわゆるアジア女性基金でございますけれども、これの設立当初から運営審議会、これは理事会に対する諮問委員会でございますけれども、それの委員を仰せ付かりまして、この中で私なりのいわゆる慰安婦問題についての正しい答えに向けての努力をしてきたつもりでございます。なお、現在私はこの運営審議会の委員長も務めさせていただいております。

 このアジア女性基金の活動等につきましては、やはり本日追加資料としてお配りいたしましたこの白いパンフレットがございますが、「女性のためのアジア平和国民基金」という表題でございますけれども、これを随時御参照いただきますと有り難いと思います。

 まず、本法律案につきまして私の基本的な考え方を述べさせていただきたいと存じます。

 本法律案は熟読いたしました。そして、一般論として妥当な内容を含んでいると判断いたしました。しかし、本法律案をこのまま国会で採択し、その規定に従って政府が一連の措置を取ることについては、私の個人的判断は適当ではないという意見でございます。

 その理由は、以下の六点でございます。

 まず第一に、これまで日本政府は一定の対応をしてきたということでございます。

 第二点は、国連での審議をある程度日本政府の対応は反映しているということでございます。

 第三点は、既に一九九五年から今日まで七年近くにわたる活動をアジア女性基金はしてきておりまして、その活動に対して国際社会の一定の評価がございます。

 第四番目には、アジア女性基金に対する多くの国民の方々の理解と支援というものがございます。

 五番目には、日本政府の対応に対する関係諸外国政府の理解と協力、これもございます。

 最後の六点でございますけれども、オランダ、フィリピン、韓国、台湾の被害者、はっきりと確認された御存命中の方々の、半数までは行きませんが、半数に近い三百六十四人がアジア女性基金の償い事業を受け取られたという事実がございます。

 こういったことを踏まえますと、私は、この法律案を国会を通して政府にこの法律案に基づく一連の措置を取らせるということには適切でない部分があるという意見を持っております。多少、この私の考え方をこれから敷衍して御説明させていただきます。

 まず、日本政府は既にいろいろな場面においてこのいわゆる慰安婦問題につきまして、とりわけ被害者となられた方々に対しまして謝罪を表明してきております。

 最初は一九九三年のいわゆる河野官房長官談話でございます。この点につきましては、この白いパンフレットの四ページの年表のところに、九三年の河野官房長官談話の一番のおわびに当たる部分の文章が書いてございますので、御参照いただけると有り難いと思います。

 さらに、一九九四年には、村山総理大臣が談話でやはり深いおわびと反省の気持ちを表明されました。

 それから、人権小委員会におきまして、日本政府のオブザーバー、これは日本政府代表ですが、人権小委員会は私ども委員とか委員代理が主要なメンバーでございますので、政府代表それからNGOの代表、これはオブザーバーという資格で討論にも参加されるということでございますが、その場におきまして日本政府のオブザーバーがやはり深いおわびと反省の気持ちを表明しました。

 それから、償い事業の一環としまして、償い金、それから医療・福祉事業、更にこれに加えましてお一人お一人の償い事業を受け取られる被害者の方につきまして総理大臣のおわびと反省の手紙が付されております。

 これらのおわびの表明は、いずれも道義的責任の立場から被害者に対して、それから被害者の属する国民に対して、政府に対してのおわびと反省の気持ちの表明でございます。

 それから二番目には、歴史の教訓とする事業ということにつきまして、事実の究明、更にははっきりと分かった問題についてできるだけ正確に国民に広く知らせるための活動を行うということ、こういうことをこれまでアジア女性基金はやってまいりました。

 それから三番目には、女性の名誉と尊厳にかかわる事業も継続してやってまいりました。これはどういう事業かと申しますと、過去に日本が行ったいわゆる慰安婦の方々に対する甚だしい人権侵害、これに深い反省をしまして、さらに、現在同様の状況が戦乱の中で起こっている、その被害者の人たちに対する私たちの気持ちそれから政府の気持ちを表明する意味で、現在起こっている問題についての研究と、それから被害者に対する救済の手を差し伸べる事業、こういったようなことについてもアジア女性基金が活動してきております。

 この法律案は、こうした日本政府の対応、とりわけアジア女性基金を作ってそれを通して政府と国民が一体となってこの問題に取り組んできたという、その実績をどのように踏まえて新しい法律案の中で政府に新たな措置を取るように要請しておられるのか、この辺が私にははっきりと見えないという感じがいたすわけでございます。

 次の点でございますけれども、アジア女性基金に対して現在におきましても根強い厳しい批判があるということはこれは事実でございます。

 しかし他方で、人権小委員会の委員の多くの方々、この方たちとは私は毎年八月、ジュネーブで会合を持ちましたときにはこの問題を含めて意見交換をしておりますが、そういう人たちの意見、さらには、度々日本でも報道されました国連の女性に対する暴力に関する特別報告者クマラスワミさん、それから、やはり戦時における女性に対する暴力の特別報告者マクドゥーガルさん、それから、最近辞められましたがごく最近まで国連の人権高等弁務官を務められたメアリー・ロビンソンさん、こういう方々が折に触れて、日本政府のこの慰安婦問題に対する対応は前向きの措置である、とりわけアジア女性基金を作って被害者のために活動していることについては前向きの評価を下されているということがございます。

 それから、日本国民の多くの方々がこの基金に寄附を寄せてくださいました。この寄附にはいろいろなメッセージを付けてくださっておりますけれども、そのメッセージを読みますといろいろな御意見があることがよく分かりますが、同時に、いずれにしても日本国民として被害者の方々に深いおわびを申し上げたいという、そういう気持ちを込めてアジア女性基金に寄附をしてこられました。こういう点で、やはり国民の間に協力と支援の気持ちを持っておられる方が多数おられるということ、これもやはり考慮する必要のある点だろうと思います。

 それから、多くの関係の政府、とりわけフィリピン、オランダ、インドネシアの政府につきましては、日本政府とこの問題で幾度にもわたって協議をしてまいりまして、全体として、日本政府の対応に協力する姿勢を示してきました。

 さらには、先ほども申し上げましたけれども、実際に、韓国、台湾、フィリピン、オランダなどでは、存命中の被害者の方々三百六十四名が基金の償い事業を受け取られたと。

 こういう状況を考えますと、批判があることは事実です。それも非常に厳しい批判ですし、私もその批判には常に耳を傾け、考慮することをしてきておりますけれども、しかし他方で、こういう前向きの評価があるということも認識しておく必要があることだろうと思います。

 アジア女性基金に対する厳しい批判が今でも続いておりますが、その一番の論点は、日本政府は法的責任を認めて法的謝罪、法的補償、法的責任者の処罰をしていないということでございます。ところで、この法律案を読みますと、この日本政府の法的な責任を認めて法的謝罪、法的補償そして責任者の処罰という、被害者及び被害者を支援する団体が要求しております点につきましてはこたえるものにはなっていないという私の判断でございます。

 そうだとしますと、仮にこの法律案に基づきまして日本政府が一連の措置を取ったとしても、依然として、被害者の方々で批判的な意見をお持ちの方、そしてそれを支援しておられる方々の批判にこたえることにはならないということになろうかと思います。もし、これで批判する方々が納得するということでありますと、七年前に作られたアジア女性基金の対応も、正に今度の法律案で実現しようと思っていることに沿ったことではないかと、そういうふうに私は考えております。

 この法律案の第五条を見ますと「我が国が締結した条約その他の国際約束との関係に留意しつつ、」となっておりまして、必ずしも明確な表現ではございませんが、従来の日本政府の立場、すなわち個人の、第二次大戦中に生じた個人の請求権は平和条約その他の二国間条約によって解決済みであるというその立場に配慮している法律案のように私は理解いたしました。そうだとすると、いまだに強い批判をしておられる被害者の方、そしてその被害者を支援しておられる方々の批判、要求にこたえるものにはなっていないのではないかと、そういう判断でございます。

 私の意見は以上でございます。


○委員長(小川敏夫君) ありがとうございました。

 次に、戸塚参考人にお願いいたします。戸塚参考人。


○参考人(戸塚悦朗君) 初めに、レジュメを訂正しておきます。レジュメの中で二番目のクマラスワミというふうにありますのはマクドゥーガルの誤りですので、訂正いたします。

 初めに、大変重要な法案の審議のために、しかも人権週間という特別な時期にお招きいただきまして、ありがとうございます。

 私はこの法律案を成立させるべきであるというふうに考えます。これまで民間基金の受取に反対、拒否してきた被害者、支援団体、被害国議会がこぞって歓迎しておりまして、これはこれまでの日本の国家機関が行った提案について初めてでございます。これまでの日本政府、民間基金の措置によっては解決がなされておりません。全体としてはこれは受け入れられていないわけでありまして、国連、ILO等も解決とは見ていない、国家による補償等の措置をいまだに求めております。

 次に、具体的な内容に触れたいと思います。

 私がいわゆる従軍慰安婦問題にかかわるようになりましたのは、現参議院副議長であられる本岡昭次議員からこの問題に関する法的意見を求められたときからであります。それは一九九〇年の本岡議員のこの問題に関する最初の質問のころでありました。この点については、本岡議員の方にお願いをして先生方のところに国会審議の経過と国連、ILO等の資料集をお届けいただいておりますので、よく御存じなことだと思います。

 率直に申し上げますと、当時の私の法的見解は大変消極的なものでありました。日本法と日本の司法が持つ重大な欠陥のために、日本国内法を援用して日本の裁判所で勝訴するということは被害者にとっては極めて困難と予想したわけであります。ところが、金学順さんほかの被害者の方が名のり出られまして被害を証言し、歴史家が日本軍の関与を証明しました。そして、首相が一定のおわびをするという事態になりました。そこで、当時は私は日本にかかわる重大な人権侵害問題を国連に報告するということを課題にしておりましたので、九二年二月、この問題を国連の人権委員会に報告いたしました。これがきっかけとなりまして、被害国の支援者、支援団体と協力することになりました。ジュネーブ駐在の日本の報道関係者が極めてナショナリスティックな拒否反応、否定的反応をしたことに異様な雰囲気を感じましてかえって奮起したということもあります。結局、被害者支援の活動は十年以上も継続しました。

 その後、研究を継続した結果、日本法上、日本の国内裁判所で勝訴することは極めて困難であっても、国際法上は日本政府が国家責任を免れることの方が難しいというふうに確信するに至りました。そこで、国際法の諸問題に関しまして、IED、IFOR、JFORなどの国連NGO代表として日本軍慰安婦制度が奴隷制であり強制労働条約違反であることを指摘したほか、不処罰賠償理論を援用いたしまして日本政府の条約の抗弁を批判するなどの国際的な法的論議を起こすことに努めてまいりました。

 また、この問題の解決方式の提唱もさせていただきまして、市民、議員立法による解決への筋道を付けるという努力を継続してまいりました。その結果がこの審議につながっておるのだと思います。さらに、これらについて著書、論文を公表するなど研究活動を継続してきたこともありまして、お招きいただいたのだと思います。

 次に、何が国際法的に問題なのかということを申し上げます。

 第一に、提出資料の説明でありますが、配付資料にあります岩波講座「現代の法」掲載論文に国際法上何が問題になるのかの、九七年時点での情報の概要を書いております。その後の情報を加えまして、九九年一月時点までをかなり詳しく、お手元にあります「日本が知らない戦争責任」に書きました。しかし、残念ながら今審議の対象になっている法案はまだ存在しておりませんので、触れておりません。その後につきましては、先ほど申し上げました本岡昭次先生のお作りになった資料集を見ていただければと思います。

 これらを見ていただきますと、国際法的な問題がどこにあるのか御理解いただけると思います。更に詳しくは、週刊法律新聞の国際人権レポート、法学セミナーに掲載しました連載、「日本が知らない戦争責任」及び「これからの日本と国際人権法」などを御参照いただければと思います。

 また、日本の司法による解決が困難であるということに関連しまして、配付資料の中に参議院憲法調査会に提出いたしました私の論文が、国際法の遵守を求める憲法九十八条二項に従わない日本の裁判所の現状を説明しておりますので、それをごらんください。

 なお、この問題については、日本の大審院も、犯罪であるということを非常に早期に認めておるという証拠として大審院の判例もお手元にお届けいたしました。

 第二に、要点につきまして簡略に説明いたします。まず、国際法違反の成否が問題になります。

 第一に、一九二六年、これは奴隷条約が国際慣習法を確認して成立した年でありますが、この年までに奴隷制の禁止は慣習国際法になっていたと考えます。女性を軍需品同様に軍の所有物とした日本軍慰安婦制度は、この国際慣習法に違反しておりました。

 第二に、日本が一九三二年に批准した強制労働条約は女性の強制労働、労務を全面的に禁止していましたので、慰安婦としての性的サービスを強制した日本軍の行為は同条約違反であったと言わざるを得ません。

 第三に、人道に対する罪の構成要件は、殺りく、せん滅、奴隷化、強制的移住、その他の非人道的行為及び政治的又は人種的迫害行為から成ります。日本軍性奴隷被害者に対する日本軍の行為は奴隷化、強制的移送、非人道的行為にも当たりますし、朝鮮人、台湾人などに対する人種的迫害でもあったので、人道に対する罪にも当たります。国際法には時効がありませんので、今も国際法の違反状態が継続していると考えられます。また、人道に対する罪に当たる場合は国内法的にも時効を適用してはならないとされております。

 次に、国際法律家委員会ICJ報告書、国連人権委員会クマラスワミ報告書、国連人権小委員会マクドゥーガル報告書、ILO専門家委員会報告書はそれぞれ詳しく国際法違反があったことを認定しております。それらは先ほど申し上げた本岡先生作成の資料集に挙げられておりますので、ごらんください。

 二〇〇〇年十二月に女性国際戦犯法廷が開催されました。世界的な国際法の権威者による二〇〇一年十二月四日の判決、これは日本軍性奴隷制を裁く、女性国際戦犯法廷の全記録に、緑風出版として出版されております。この判決の国家責任に関する部分、三百六十八から四百四十三ページでありますが、には、今申し上げた以上に広範囲にかつ厳しく国際法違反を認定しております。

 次に、日本政府の条約の抗弁について申し上げます。

 第一に、日本政府はこのような国際法違反の指摘に対していつも、「日本としては、さきの大戦に係る賠償、財産請求権の問題についてサンフランシスコ平和条約などに従って誠実に対応してきた」、これは橋本首相の九六年五月九日参議院予算委員会での答弁であります、などと条約の抗弁を繰り返してまいりました。これは、平和条約及び二国間条約によってすべての国家責任が解除されたと言いたいようにも聞こえます。しかし、条約の抗弁は既に破れております。日本政府はこれに固執することをやめるべきです。

 第二に、具体的に個別条約の検討をしてみますと、これらの抗弁は崩壊してしまうことがよく分かるわけであります。

 第三に、平和条約などの条約によって性奴隷被害者の権利は放棄できないという法的見解は、国際法の権威が承認するところであります。

 時間の関係上、詳細は省略いたします。

 次に、民間基金政策では国際法違反の状態は解除されていないということを申し上げたいと思います。

 仮に、被害者すべてが国民基金による償い金を受け取っても、これは民間による措置ですから国家責任を法的に解除することはできません。その上、民間基金による解決の試みは、多くの被害者、被害国の支援団体などの拒否反応によって被害者全体との和解を達成することができませんでした。

 先ほど申し上げた国連・ILOの報告書は、民間基金に一定の評価を与えましたが、これにより国家責任が解除されたとは評価せず、被害者が求めるように日本政府に対して国家責任を果たすよう求め続けています。今後も国際世論による批判は継続すると思われます。

 先ほど申し上げた法廷の判決でありますが、その末尾で日本政府に対する具体的な勧告をいたしました。これらが実現して初めて国家責任が解除されるというふうに考えられます。これについては、レジュメの最後の「勧告」というところをごらんください。

 解決のためには、審議中の法案の立法が必要であるというふうに考えます。

 被害国の被害者支援団体は、こぞって内閣委員会で審議中のこの法案の国会提案を歓迎し、被害国の議会がその成立を望む決議を次々と審議し採択しております。日本の国家機関、国会議員もこの委員会も国家機関でありますが、によるこの問題に関する提案が歓迎されたのは初めてのことであります。

 しかし、法案に問題もあります。日本人慰安婦の方も、女性として軍による性暴力の被害を受けた点では同じですから、被害者に含むことができるようにする方がよいと思われますが、その他の点では、私が提案してまいりました暫定的な個人賠償法案等、これは特に謝罪という言葉を欠いておりましたので重大な欠陥がありますが、これよりもはるかによくできています。ですから、この法案が可決、成立すれば、この問題は解決に向けて急速に動き出すというふうに考えます。

 立法の国際的な位置付けでありますが、詳細は省略しますけれども、立法ができないという観測が有力であります。なぜなのでありましょうか。

 条約の抗弁にもかかわらず、審議中のこの法案が提案され、参議院の事務総長により受理され、内閣委に付託されました。それは、法的には立法による法的な解決ができるということを示したわけです。国会議員の多数の先生方がこの法案を成立させるか否かという問題が残っているだけであります。

 立法ができないというのは法的な問題ではありません。政治的な問題でありまして、立法に協力する気持ちがない議員がおられれば、これはできないことになるわけであります。もし、この委員会がこの法案を否決したり廃案にしたりすれば、世界じゅうの多数の人々から日本の国会が批判されることは避けられないと思われます。

 慎重な審議の上、可決してくださるようお願いいたします。

 ありがとうございました。


○委員長(小川敏夫君) ありがとうございました。

 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。

 これより参考人に対する質疑を行います。

 なお、質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。

 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。


○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。

 今日は、両先生にはお忙しい中を御出席いただきましてありがとうございます。今、お二人の先生からいろいろとお話を聞いたわけでございますけれども、短時間ではございますけれども、何点かお尋ねしてみたいと思うわけであります。

 特に、この従軍慰安婦の問題というのは過ぐる世界大戦における本当に悲しい事実であり、そういう意味では多くの女性の方々が苦痛を経験された、また精神的にも肉体的にも大変いやし難い深い傷を負われたと、これに対して日本人の一人としてまず最初におわびしたいと思うわけでもございます。

 この従軍慰安婦問題というのは、やはり激しい戦争状態の中で、異常状態の中で、特に被占領地におけるいろんな問題、そういう意味では強姦等のそういった事案をできるだけ少なくするためにということで当時軍が行った方策だろうと思うんですけれども、しかし、それにいたしましても従軍慰安婦の人たちは大変深い傷を負われたことは事実でありまして、この問題をどのような形で解決していくかということが戦後の大きな課題でもあるわけでございます。

 しかし、戦後処理の問題については、そうした戦争中の賠償の問題だとか、あるいは財産請求権の問題等につきましては、こうした従軍慰安婦の問題を含めまして、サンフランシスコの講和条約、あるいは他国との両国間の条約によって一応法的には解決されたというふうな考え方を政府は取ってきたわけでございます。

 そうは言いながらも、やはり従軍慰安婦の皆さん方が高齢になり厳しい状況にあるというふうなことから、道義的には何とかこれについて対応していかなきゃならないというふうな思いから、日本政府もいろいろと対応してきたわけでありまして、先生からもお話しございましたように、平成三年から二年間にわたって調査をし、そしてまた平成五年には河野官房長官が心からおわびと反省するという気持ちも表明しましたし、そしてまた平成六年には時の村山総理がおわびと反省の気持ちを分かち合うための幅広い国民参加の運動として、このいわゆるアジア基金、アジア女性基金を作ったということでもあるわけでございまして、これは平成七年からアジア平和国民基金、アジア女性基金としていろいろと対応してきたわけであります。

 これにつきましては、今お話しございましたように、これを受けてもらえた方、これを拒否された方、いろいろあるわけでございますけれども、非常に大きな、特に性格上なかなか、私はこうでしたと言って本人から言いにくい問題でもあるわけでございますから、そういう意味でいろんな難しい問題がたくさんあったんではないかと思います。

 そういう意味では、この問題に先頭になっていろいろと対応してこられたのが横田先生でもございますし、また横田先生は国際法学者として非常に著名な先生でもございますので、まず最初に横田先生にお尋ねしたいと思うわけであります。

 今申し上げましたように、日本政府は、この従軍慰安婦問題については法的にはサンフランシスコ講和条約及びその他の二国間の関連条約によって解決済みだという考え方を取り、道義的責任を果たすべく努力しておるわけでありますけれども、これに対して戸塚先生は、これだけじゃ駄目なんだ、やはりその責任は解消されていないというふうにおっしゃったわけでありますけれども、国際法学者として、国際法的には治癒されていないのかどうか、治癒といいますか、サンフランシスコ講和条約ないしは二国間の条約によってこういう問題は解決されたと考えることは、法的に間違えているのかどうなのかということについてお尋ねしたいと思うわけであります。


○参考人(横田洋三君) 亀井先生、大変適切な御質問をありがとうございました。

 私も、先ほど戸塚参考人がおっしゃられましたいわゆる慰安婦の方々に与えた苦痛、精神的肉体的苦痛、これは当時の国際法に照らしても違法であったという判断をしております。戸塚先生が挙げられた強制労働条約違反、あるいは戦時国際法違反、さらには人道に対する罪、いずれにも該当します。

 問題は、その当時の国際法は違法な行為を国家と国家の間でどう解決するかを決めるという仕組みになっておりまして、個人の問題はそれぞれの個人が属する国家が国内的に処理する、つまり国際法と国内法を二段に分けて処理する、そういう考え方が圧倒的多数でした。

 そういう枠組みの中から見ますと、平和条約というのが国家と国家の間の戦争状態をなくし、戦争中に国家と国家の間で生じた違法行為に対する賠償、そういったような問題を全部一括して解決して、今後はもう戦争中のことは終わりにして二国間の友好関係を前進させようということを決める、これが平和条約でございます。正にサンフランシスコ平和条約、それから、平和条約ではございませんけれども、戦後、日本の植民地から独立した韓国につきましては、一九六五年に基本条約が締結され、それに付随した請求権問題に関する協定がございまして、大体サンフランシスコ平和条約と同様の請求権放棄の規定が明確にございます。一切の請求権を放棄する、その場合には、国家の請求権のみならず個人の請求権も放棄するということが明文で書かれております。

 したがいまして、第二次大戦中の国際法の構造からいいますと、違法ではあったけれども、法的に個人が国家に対して請求することはできませんので、国家間で問題を解決する、その解決は平和条約で終わっていると、こういう仕組みになっておりますので、その限りにおいては日本政府の説明は国際法的に妥当なものだと考えます。

 ただ、私は、日本政府はしたがって、請求権問題がもうないから、それ以上のことは日本政府は発言しておられませんが、私は、いわゆる慰安婦の方々に与えた損害、これは国際法違反だったという判断を明確にしております。

 以上でございます。


○亀井郁夫君 よく分かりました。

 ということは、やはり戦争中に起こったそういうことに対しての問題は国と国の問題で解決し、個人は自分の属している国との関係においてその問題を解決する、これは従軍慰安婦の問題ですけれども、と財産上の問題とかいろんな問題がありますけれども、含めてそうするのが国際法のルールだというふうに考えてよろしいわけですね。


○参考人(横田洋三君) そのとおりでございます。

 ちょっと付言させていただきますと、国内的にはそれぞれの政府に対して国内法上の裁判を起こすことができます。現実に、戸塚参考人も先ほどちょっと触れられましたが、日本の国内でもそういう意味での訴訟が起こっております、国家賠償法。それから、アメリカでも、実は現実に係争中の、この慰安婦問題を含めた強制労働被害者のアメリカ国内法上の請求権は起こっております。

 そういうことを考えますと、国内法上の法的な解決は現在まだ係争中であるという状況でございます。それは、答えが裁判所によって出されると、こういうことでございます。


○亀井郁夫君 次にちょっとお尋ねしたいのは、いつも出てくるのが、国連の人権委員会等でのいろんな報告が出されて、日本はそういう意味では国連のそうした決定に違反しているんだ、違反状態が続いているんだというふうなお話が多いわけですね。国連の人権委員会でのクマラスワミ報告だとか、あるいは人権小委員会のマクドガル特別報告等が、さっきも戸塚先生からのお話がございましたけれども、そういうことが出て、日本があたかも国連の決定に違反している状況が続いているんだというふうな形での説明があるわけでございますけれども、国連結成以前に行われたこうした一連の事案でもございますし、そういう意味で、国連の報告というのがそういう形で覊絆力を持ったものとして報告が国を縛ることができるのかどうなのか、これについて横田先生、国際法学者としてお教えいただきたいと思います。


○参考人(横田洋三君) ありがとうございます。

 結論から申しますと、覊絆力はございません。ただ、無視していいというものでもございません。国連の場で任命された権威のある特別報告者によって、いろいろな人の意見を聞き、いろいろな事実を検討して出された報告書、これは関係者は真剣に受け止めるその責任はあると思いますが、法的に拘束力があるかと言えば、答えはノーでございます。


○亀井郁夫君 よく分かりました。

 その後、アジア女性基金につきましてはいろいろと横田先生自身が中心になってやってこられたわけでございますけれども、そういう意味では三百六十四名の方がこれを受けておられる。そしてまた、インドネシア、オランダ等については、受けておられないけれどもいろいろな施設の整備に努力してこられたという形で、国による状況もこういう形で違うんだろうと私は思うわけでありますけれども、そういった国のこの制度に対する評価というものが、国によって、例えば韓国、台湾、フィリピン、あるいはインドネシア、オランダと、違うのかどうなのか、その辺りを、それからまた、この対象になっていない国がまだたくさんあるんじゃないかと思うんですけれども、その辺りの国はどう考えておるのか、お教えいただければ有り難いと思います。


○参考人(横田洋三君) ありがとうございます。

 大変適切な御指摘だと思います。国によって大分違いがございますが、さらに、同じ国の中でも意見が分かれているというのが実情でございます。

 全体として非常に日本政府の対応に現在でも厳しい意見を多く持っておられる方がいるのは韓国でございます。それから、地域としての台湾もかなり厳しい意見を持っておられる方がおられます。フィリピンは分かれておりまして、厳しい意見を持たれている方と、それから日本政府の対応を歓迎している方々とがかなりいらっしゃるという状況でございます。オランダは全体として対応を歓迎する空気の方が強く、反対の方もおられますけれども、その方たちは現在日本で訴訟を起こして法的に問題を追及するということをやっておられます。


○亀井郁夫君 ちょっともう一つお尋ねしたいのは、反対して拒否した方がおられるわけですけれども、そうした人の数というのは、受けている人は三百六十四名ですけれども、拒否している方の数というのは何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。


○参考人(横田洋三君) ありがとうございます。

 その問題に対するお答えは大変難しいのでございます。と申しますのは、我々が直接被害者の方々に会って御意見を聞いたり、事実関係を確認して、確かにこの方たちが被害者であるということを確認する。しかし、申し出てきた人が全部ではございません。いろいろな事情で申し出てこられない方もいらっしゃいますし、それから、ある程度、それぞれの国ではあるいは地域では、政府又はNGOによっていわゆる慰安婦にされた方だと認定されているとしましても、その方たちがどのくらい本当に慰安婦として慰安所に長期にわたって拘束されていた方かどうかという確認の方法がないものでございますから、どうしてもラフな数字にならざるを得ません。それから、残念なことですけれども、もう戦後五十年以上たちまして、被害者の方たちもかなり多くの方がこれまでに亡くなっておられます。

 そういうことを考えますと、正確にどのくらいかということは申し上げにくいんですが、私どもが確認しております韓国、台湾、フィリピンの政府又は支援団体のNGOが確認している被害者であるという数字の、半数まではいきませんが、四〇%ぐらいの方がこの三百六十四という数字になるのではないかというふうに理解しております。


○亀井郁夫君 ありがとうございました。

 戸塚先生に一点お尋ねしたいんですが、ここにもあります二〇〇〇年十二月の女性国際戦犯法廷ということの判決を基にしていろいろと議論されておられますけれども、この女性国際戦犯法廷というのは、私の記憶では東京で行われたやつではないかと思うんですが、これは国連やその他だったらそれなりの権威のある法廷だと思うんですけれども、女性国際戦犯法廷というのは、だれがどういう形で判事を選び、どういう形で行われたのか、誠に不勉強で申し訳ないんですけれども、ちょっと教えていただきたいと思いますが。


○参考人(戸塚悦朗君) ありがとうございます。

 実は私、その記録の一部を持ってまいりまして、先生に是非お読みいただければと思いますが、先ほど御紹介したんですけれども、緑風出版というところから出ております「女性国際戦犯法廷の全記録」というものがありまして、そのⅡでありますが、ここに判決が出ております。詳しくは、このⅠというものがございまして、この女性国際戦犯法廷がどのように開催されたのかという経過、そしてその内容、こういったもの、起訴状、判決文、すべてここに日本語訳されておりますので、それをごらんいただければと思います。

 これを組織されたのは、松井やよりさんほかの日本の女性団体の方々、バウネット・ジャパンというのがございますけれども、そこと、それから韓国、フィリピンの慰安婦問題の支援団体の指導的な立場にあられる尹貞玉先生とか、そういった方々が提唱されまして、世界の女性運動に呼び掛けられて組織されたものであります。そういう意味で、民衆法廷でございます。前例としてはラッセル法廷というのがございましたけれども、そういうものと同じでありまして、民間のものであるという点。

 ただし、そこに参加した検事団あるいは裁判官の方々は、ここに詳しく出ておりますけれども、国際的に大変著名な法律家の方々であります。その方々が下した判決の内容を私拝見いたしましたけれども、過去の国連、ILO等の議論、あるいは私どもの提出した議論、あるいは日本政府の言っておられる議論すべてを非常に広範囲にまた丁寧に調べておりまして、それに対して事実認定もしておりますし、法的判断もしておられる。

 大きく分けて二つありまして、一つは……


○委員長(小川敏夫君) 戸塚参考人、亀井委員の質問時間が過ぎておりますので、御答弁を簡潔にお願いします。


○参考人(戸塚悦朗君) 申し訳ありません。

 そういうことで、是非この本をごらんいただければと思います。

 ありがとうございました。


○亀井郁夫君 ありがとうございました。

 今のお話で、大衆、民衆運動家の方々を中心にして行われた法廷だということがよく分かりましたので。ありがとうございました。


○岡崎トミ子君 今日は、横田参考人、戸塚参考人、国際法の学者の観点からこの戦時性的強制被害者問題、解決をしようということで、発議者として、一人の議員としてこの問題、是非この法律は成立させたいという願いからお二人に本日お話を伺えますこと、大変心から感謝を申し上げたいと思います。

 昨日、私は東チモール議員連盟に所属をしておりますけれども、この東チモールから、二十一世紀の最初の独立国でございますが、ここからマルタ・アブ・ベレさんが、被害者の方でいらっしゃいます。一九四二年から三年半日本軍が駐留いたしましたけれども、その慰安所で、彼女は年齢がよく分からない、七十歳推定と言っておりますから被害者となったときの年齢もはっきりしておりません。でも、胸は大きくなかった、生理はなかった、そのころに被害に遭ったということを証言されていらっしゃいました。

 そして、私は今年、この法案の発議者とともに、まずは二月にインドネシアに参りました。その後、フィリピン、韓国、台湾に参りまして、被害者のおばあさんたちにお会いしました。本当に一様に年を取っている、本当にいつ亡くなってもおかしくない、そういう年齢の方で、一様に今日まで大変つらい思いを抱いて生活をされている。そして、忘れることはできない、何とかして正義を取り戻したい、これは共通して昨日のマルタさんも含めておっしゃっていたことだなというふうに思っております。

 今回の私たちの戦時性的強制被害者解決促進法案は前の通常国会で初めて審議することができましたが、その際、私は宮城県の選出の議員なんですけれども、宮城県の地元に宋神道さんという方がいらっしゃいまして、在日の被害者で唯一名のり出て裁判を闘っている方でございますが、この方が証言されたこと、多くの方々に、慰安婦とされたことは一体どんなことなのかということの証言をしていただきまして、これを私が代読をして御紹介をし、多くの方々の共感を得ました。

 この方の東京地裁の判決は、国際法違反を初認定しております。国際法違反は、そのほかの裁判や国連人権委員会、人権小委員会、ILO専門委員会などで指摘をされておりますが、国際法学者でいらっしゃって国連でも人権分野で活躍をされております横田参考人から、まずお伺いしたいと思います。

 確認でございます。ただいま既に亀井さんのときにもおっしゃっていたかと思いますけれども、国際法学者として例えば慰安婦制度は強制労働条約違反だったと考えるかどうか。大変時間が短いので、短くお答えいただきたいと思います。


○参考人(横田洋三君) 今の御質問に端的にお答えするならば、私は、そのとおり強制労働条約違反であったと考えております。


○岡崎トミ子君 ILO専門委員会はこの慰安婦制度は強制労働条約違反だというふうに言っていること。それはそうしますと、日本としてもしっかり受け入れなければいけない、その重みを持つものだというふうにお考えですか。


○参考人(横田洋三君) あらゆる法律違反、これはその違反をした人、そして国、団体、これは極めて重く見なければいけないものです。今おっしゃられた具体的なILO専門家委員会の意見も含めました強制労働条約違反という判断、そのほかにも、人道法、人道に対する罪等の違反もありますが、これはやはり日本政府として重く受け止めるべき性質のものだと判断しております。


○岡崎トミ子君 ILO憲章の三十七条には、ILO条約についての最終的な解釈権限は国際司法裁判所にあるとしております。ILOの見解が受け入れられないのであれば日本政府は国際司法裁判所に訴えることもできるという、この点に関しましてはどのようにお考えですか、可能性があるかどうかということについて。


○参考人(横田洋三君) 当然、可能性はございます。ただ、国際司法裁判所の管轄権というのは自動的ではございませんので、それぞれの条約が果たして日本に関して、ICJと言っていますが、国際司法裁判所に持っていって法的な解決が得られるものかどうか、これは綿密に検討する必要のある問題だと思います。

 ちょっとついでに申し上げますと、国際司法裁判所は二つの方式によって法的な判断を下すことになっておりまして、一つは、国と国の間の国際法上の解釈の違いを解決する場でございます。この場合には、日本の解釈とほかの、ILO条約、特に強制労働条約の当事国のどこかが意見を述べて、その意見の対立が生じたときに紛争を解決するために国際司法裁判所に持っていくと、これが一つでございます。

 もう一つは、国連等の機関が、どこかから問題が出てきたということではなく、この点についていろいろな人の間に意見の相違があるので国際司法裁判所の勧告的意見を求めるということを決議して求める場合がございます。この場合に勧告的意見を出すというのも一つの国際司法裁判所の役目でございます。この場合の勧告的意見は、問題を最終的に解決する判決とは違います。勧告的という言葉が示すとおりでございますが、やはりそうはいっても国際司法裁判所の権威ある判断ですので、その重みはおのずとあると考えております。


○岡崎トミ子君 奴隷条約違反も指摘されておりますけれども、確かに日本はこのときには条約を批准しておりませんけれども、既に慣習法だったのではないかと思いますが、その点に関してお願いします。


○参考人(横田洋三君) 奴隷は国際慣習法違反でございます。これは、日本は十九世紀の後半に、ペルーの船が横浜に入港しているときに中国人のクーリーをたくさん積んでいて、これを解放しました、日本の政府の判断で。これは最終的には仲裁判断で日本のやった行為は国際法上問題がないという答えが出ましたけれども、そのときの日本政府の考え方は、やはり奴隷は国際法違反であるという判断の下に行われたと私は承知しております。


○岡崎トミ子君 そうしますと、この条約違反ということになりますと、民間の機関のアジア基金でこの問題を解決、解除というふうにはお考えになりますか。


○参考人(横田洋三君) 今ちょっとおっしゃられた、条約違反とおっしゃられましたが、私は慣習法違反と思っております、この奴隷の問題は

 ですが、それはそれとしまして、アジア女性基金のスタートは、政府が道義的な責任を認めてアジア女性基金を作り、国民と一緒になって被害者の方々におわびと償いの事業を進めると、こういうことでございますので、これで法的な問題があるとしてそれを解決するための方策ではなかったというのが私の理解でございます。

 したがいまして、答えとしましては、法的な問題に直接影響を与えるような措置ではなくて、それとは別に、年を取って健康も害しておられる方々がたくさんいる、そういう被害者の方々に対してなるべく早く、早急に何らかの、少しでも気持ちが和らぐ措置を取るべきであるという、こういう考え方に沿って取られた措置だと、こう考えております。


○岡崎トミ子君 慣習法だったということは、加盟していなくてもこの違反を正さなければならないというふうに日本はあるのではないかと思います。そして、国が国家としてこれに対応しなければなりませんから、私どもの考えでは、アジア基金では解除をされたというふうには思いません。

 その対応としてなんですけれども、これをなぜ国できちんと税金で対応しなかったのか。国家責任でやらなければならないというふうに考えておりますので、実は民間基金で行われましても、国家責任でないものは受け取れないという、そういう人たちが多く今御指摘のようにいらっしゃるわけです。大変混乱をいたしました。基金が媒介したからではないかというふうに思うわけなんです。

 そして、私は、先ほど申し上げましたように、インドネシア、フィリピン、韓国、台湾へ参りましたときに、多くの受取拒否者がいらっしゃることが分かりました。受け取った方の中でも少なからぬ被害者が新たな名誉回復の措置を願っておりまして、やはり解決をされていない。むしろ、横田先生のさきにお書きになったものを拝見いたしましても、受け取った方々にはおわびの手紙が大変誠実に書かれていて、そういうものを受け取ってそれは解決したかのようにもおっしゃる方が非常に多いわけなんですが、実は受け取った方も、これは国家として謝罪したものではないといって手紙を返しているという方もいらっしゃいますし、受け取っていない方がまず本当に多くいらして、その間に大変な問題になっているわけなんです。

 横田参考人は、実はこの書かれたものの最後に、不十分であると、この基金の問題については不十分であるというふうにお書きになっておりますけれども、不十分であるが前向きの対応だというこの評価ですね、どの点が不十分だったのかをお伺いしておきたいと思います。


○参考人(横田洋三君) ありがとうございます。

 直接尋ねられた質問の答えの前に、前提で、岡崎先生がおっしゃられたことについてちょっと私の意見を加えさせていただきます。

 アジア女性基金の……


○岡崎トミ子君 手短にお願いします。


○参考人(横田洋三君) はい。簡単に申し上げます。

 アジア女性基金は国のお金で運営費が賄われ、また、医療・福祉事業につきましては全額国が出しておりまして、国がお金を出していないという一般的な表現は不正確だろうと私は理解しております。ただし、償い金の部分につきましては、これは国民から集めた寄附でやっております。その辺は明確に区別して認識した方がいいという考えでございます。

 国家責任につきましては、国と国の間の国家責任の問題は、先ほど申し上げましたように、平和条約等二国間の条約で解決済みという日本政府の立場は国際法上支持できるものであると考えております。

 ただ、不十分だと私が考えておりますのは、被害者の方々の多くが、まだ自分たちの気持ちがこれではいやされない、そしてアジア女性基金のお金を受け取れないということをかなり多数の人がおっしゃっているという状況をどうやって解決するかということをやはりやるべきであって、こういう方たちの気持ちを十分に受け入れるということを今後する努力を、日本政府も、私たち、アジア女性基金を中心に活動してきた我々も真剣に考えなければいけない、そういう問題だというふうに考えております。そういう意味で不十分だということでございます。


○岡崎トミ子君 もう本当に時間が迫ってきてしまいましたけれども、先ほど横田参考人がおっしゃいました、この法律の不十分さも指摘をされておりましたけれども、実はこの法律を作る前にも、当初、立法解決ができないかということを言われておりまして、そしてこれが作れるようになって現在この法案があるわけなんですが、この法案ができますときに、各国を本岡昭次参議院議員は回りまして、各国がこれは解決の突破口となるというふうにして支持をしているということでございます。

 この支持をされているということをもって私たちは法案を提出をしているということについて御理解をいただきたいと思いますが、戸塚先生に最後にお伺いしたいと思いますが、私が回りましたときに、各国でたくさんの支持を得ているこの結果としまして、フィリピンでは国会決議を次々に出しております。現在も出し続けております。それから、韓国でも生活安定支援法改正について今でも取り組んでおります。基金の受取をめぐって微妙かつ深刻な問題が発生しているということで、二重に受け取りたいという人の議論も起こっております。オランダでは、吉川議員が行っていらっしゃいまして、まだまだこれは解決していない、怒りで一杯だったということもよく分かりました。それから台湾では、これは立法院全体で法案支持決議が提出されまして、十月二日に提出されまして、これは議会全体で合意をしているという現状がございますが、こうした各国の被害国の動きに関しまして国際世論の広がりをどう考えるのか、お聞かせいただきたいと思います。


○参考人(戸塚悦朗君) お時間がほとんどないと思いますので簡略に申し上げるつもりですが、一つは、今の御指摘のとおり、各国で議会がこの法案を支持しているというのは非常に重要なことだと思います。国家責任の解除ということにつきましても幅がある程度ありまして、確かにあらゆることをやらなきゃいけないということは困難なんでありますけれども、例えばアメリカの議会が戦時中の日本人の収容問題で取った措置、これも非常に象徴的な行為でありますが、国家の行為であります。その他、台湾、韓国の軍事独裁政権の時代の重大人権侵害問題についての過去清算の立法、あるいは南アフリカにおけるアパルトヘイト下の重大人権侵害問題への立法等を見ましても、あるいはナチス・ドイツの過去清算の立法、こういったものも決して完全ではありません。しかし、国家が責任を明確な形で象徴的に取るという点で共通点があります。日本では、そのような過去清算がいまだに一度も行われていない。この法案が初めての法案でございます。

 そういう意味で、世界的にもあるいは日本の歴史の上でも注目すべき立法案でありまして、これがどうなるかということは今後の日本がどうなるかということを占う、あるいはアジアにおいて日本が生きていくことができるのかどうかということを占う非常に重要なものであります。

 この法案が歓迎されている、被害者団体、支援団体だけでなくて各国の議会によって歓迎されている事実というのは極めて重く見るべきであると。したがって、この法案が成立すればこの問題は解決に向かう、また他の問題も解決に向かう、つまりアジアにおいて日本が胸を張って生きていけるようになるという意味で極めて重要だと思います。

 そのほかにも国際的な問題ございますけれども、お時間がないと思われますので、そこでまとめさしていただきたいと思います。


○岡崎トミ子君 ありがとうございました。


○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。

 今日は、両参考人には貴重な御意見を賜りまして本当にありがとうございます。

 私がこの問題に初めて個人として接したのは一九六〇年代でありまして、従軍カメラマンの撮った写真が軍の検閲によって不許可になっていたものが数多くありまして、それが公表される機会がありました。様々な写真がありまして、日本が戦勝気分に浮かれていた当時と同時進行で、それとは裏腹の、その軍の言わば不祥事にまつわるような様々な実態が写された写真があったわけでありますが、その中にこの従軍慰安婦に関する写真もあったわけであります。慰安所に列を成して並ぶ兵士の姿とか、あるいは慰安婦と戯れる兵士の姿とか、あるいは軍とともに行軍する慰安婦の集団の姿とか、リアルに写されていたわけでありますが、そういう忌まわしい実態を見て、私は大変ショッキングな思いに駆られました。

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2008-07-21

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参議員外務委員会-6号 平成07年03月17日

132-参-外務委員会-6号 平成07年03月17日


○清水澄子君 具体的日程なり決まったときには、ぜひ御連絡いただきたいと思います。

 次に、国連の女性に対する暴力問題委員会のクマラスフミ特別報告官は、昨年の十一月二十二日に、この人権委員会で討議する予備報告書*1を人権委員会に提出をしております。この予備報告書における慰安婦問題についての骨子は、一つは、国際人道法のもとでの犯罪としての認定とあるわけですね。そしてもう一つは、武力紛争時に犯された暴力の被害女性のための補償による救済。この二点が骨子になっています。

 そこで、私は、一般論としてでいいです、別に慰安婦とかかわらなくていいですが、一般論として政府は、この報告書で言う性的奴隷行為の国際人道法のもとでの犯罪としての認定という部分についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。



○政府委員(折田正樹君) クマラスワミ女史の予備報告書は、私どもも勉強させていただいていますし、女性に対する暴力全般について幅広く論じたものでございます。その中に、いわゆる従軍慰安婦に対する部分があるのはそのとおりでございます。そして、今、委員御指摘のように、国際人道法上の犯罪というところにも記述がございます。

 ただ、私どもといたしましては、この国際人道法上の犯罪なるものがどのような根拠、規定に基づく主張であるのか必ずしもつまびらかにしないのでコメントするのはなかなか難しいわけでございますが、いずれにしましても、こういう問題から生じます請求権の問題は、これまでも累次申し上げておりますように、サンフランシスコ平和条約、あるいは韓国の場合でしたら……


○清水澄子君 一般論を聞いております、この問題に対する。日本の経過は今聞いておりません。今のこういう見解に対して、一般論としてどういうふうに受けとめられますかと聞いています。


○政府委員(折田正樹君) 一般論として、先ほど申し上げましたように、国際人道法上どのような根拠でどのような規定で御主張なされているのかというのを我々つまびらかにいたしませんものですから、ちょっとコメントをするのは差し控えさせていただきたいということでございます。


○清水澄子君 ではもう一つの、武力紛争時に犯された暴力の被害女性のための補償による救済という、この報告書の全般的なものをお読みだと思いますけれども、その中には二つある、私は今その二番目の方を申し上げた。これも一般論で結構です。政府はどのような見解をお持ちですか。


○政府委員(折田正樹君) 一般論として申し上げますと、国際法上得る権利が果たして個人も有しているのかという問題だろうと思いますけれども、国家が国際違法行為を行った場合、被害国に対する加害国の賠償義務については国際法上確立しておりますけれども、それでは個人に国際法の主体性が認められるのかということになります

と、そこまでは国際法上確立しているとは言えないのではないかというのが私どもの一般論としての考え方でございます。


○清水澄子君 この報告書のパラグラフ二九〇*2には、「一九九二年七月、日本の首相は、日本軍が広範な政府運営の売春所網において、何万もの女性に性的奴隷としての労働を強いたことを認めて謝罪した。」とあります。

 政府は、パラグラフ二九〇のこの記述をお認めになりますか。もし認められないとすればどの部分かということをちょっと簡潔に言ってください


○政府委員(高野幸二郎君) このパラグラフ二九○の話は、今、委員おっしゃいましたとおり、九二年七月という時点を限定しております。その時点との関連で私ども、日本国総理が云々ということは承知しておりません。

 ただ、九二年の七月に当時の官房長官から、従軍慰安婦問題につきまして政府の関与があったと認められることを云々の調査結果を当時発表いたしました。その際あわせて、いわゆる従軍慰安婦として筆舌に尽くしがたい辛苦をなめられたすべての方々に衷心よりおわびと反省の気持ちを表明したという経緯はございます。


○清水澄子君 これは当時官房長官だった外務大臣が報告をされたわけですけれども、外務大臣、日本政府が従軍慰安婦問題について認めだというのは、このパラグラフ二九〇による一九九二年七月ということになりますね。それで、そのことが改めて確認ができるかどうか。そして、一九九二年七月以前には、日本政府にとって慰安婦問題というものは余り意識していなかった、いわゆる存在していなかったということになりますけれども、これは私はもうこれ以上追及しませんから、どうぞ率直に御意見をお聞かせください。


○国務大臣(河野洋平君) ちょっと私、原文を申しわけありませんが見ておりませんので、その原文と合わせて確認をしろと言われるとちょっと今直ちにできませんが、間違いなくその当時官房長官でございました私は、従軍慰安婦問題についてのそれ以前、大分前からこの問題についての調査をずっといたしておりまして、その調査の結果をもとにして発表いたしました。その調査の結果を発表すると同時に、先ほど政府委員が御答弁申し上げましたように、私の気持ちを述べたものでございます。

 発表の時点はその時点でございますが、清水議員も長く関心をお持ちでありましたように、かなり以前からこの問題については政府としても関心を持ち、調査をずっと続けてきた経緯がございます。


○清水澄子君 さっき私がお尋ねしたときに、二九〇のパラグラフについてはこの記述を認めるかというときに、首相という表現だけは別として、あとはお認めになりますか。


○国務大臣(河野洋平君) ちょっと申しわけありません。ただいまの答弁を若干修正させていただきます。

 九二年の発表ということであると、実は私ではなくて加藤官房長官であったと思います。したがいまして、私の今の答弁は、九三年の発言ということに訂正をさせていただきます。九二年の部分については、申しわけありませんが、ちょっと手元にございません。


○清水澄子君 九三年の場合はそういう形でお認めになりますね。

 それで、先ほどの二九〇というパラグラフの部分はお認めになりますか。


○政府委員(高野幸二郎君) このパラグラフ二九○に書いてあることの趣旨におきましては、現実に東京での九二年七月の官房長官の発言とほぼ同趣旨がというふうに私どもとしては考えております。


○政府委員(折田正樹君) ちょっと一点だけ補足させていただきますと、パラグラフ一九〇に性的奴隷という言葉が使っでございます。政府の発言の方にはそういう言葉はございません。

 国際法上、奴隷とは何かということでございますが、日本はいわゆる奴隷条約というのには加わっていないわけでございますけれども、その奴隷条約で定義されているのは、その者に対して所有権を伴う一部または全部の機能が行使される個人の地位または状態を言うということで、まさしく所有権を伴うような感じの定義になっているわけでございます。

 今度の従軍慰安婦問題が果たしてこういう表現にぴったりと当てはまるかどうかというところも問題があろうかというふうに思います


○清水澄子君 きょう、ちょっと余り論争する気はしませんが、慰安婦なんという言葉は英語にもありませんので、その点どうぞ御理解ください。こういう性的奴隷という表現に国際的にはなっております。

 そういう御認識であるということだけはきょうここで明らかにされましたから、これはまたいろいろ議論をしなければならないことがあるかとも思います。

 そこで、今度は二九一のパラグラフなんですけれども、これもぜひ大臣に私はお聞きいただきたいと思います。この報告書のパラグラフ二九一には、

 第二次大戦後約五〇年が経過した。しかし、この問題は、過去の問題ではなく、今日の問題とみなされるべきである。それは、武力紛争時の組織的強姦及び性的奴隷制を犯した者の訴追のために、国際的レベルで法的先例を確立するであろう決定的な問題である。象徴的行為としての補償は、武力紛争時に犯された暴力の被害女性のために「補償」による救済への道を開くであろう。ということがここで明確に報告書として提起をされて、そしてこの報告書は国連人権委員会に正武に報告をされている文書でございます。

 そして、この文書は、国連の文書として広く一般に公布されておりますし、現在ニューヨークで開かれております第三十九回国連女性の地位委員会においても報告され議論されている問題でありますので、そういう意味でやはり政府も改めてこの従軍慰安婦問題というのは女性の重大な人権問題として国際的に非常に新たな問題になっているという認識をされないと、私は今後非常に大きな政策的なずれというんですか、問題が起きてくるのではないかと思って今までこういう問題について質問してまいりました。ですから今後は、私は、政府は十分にその点を自覚をしていただきたいと思います。大臣、よろしゅうございますか。


○国務大臣(河野洋平君) それぞれのパラについてお尋ねでございますけれども、実は大変恐縮ですが、私が今見ておりますものと訳文が大分違うのでございまして、これはいずれが正確かということはよくわかりませんので、ちょっとその……


○清水澄子君 原文、あります。


○国務大臣(河野洋平君) いや、原文はもちろん持っておりますけれども、その内容について一字一句を議論することはこの際、申しわけありませんが留保させていただくことといたしまして、今の議員の御認識について申し上げれば、私ども政府としてはかねてから、この従軍慰安婦問題についていえば、二国間関係は、繰り返しで恐縮でございますが、国と国との関係は決着がついておるということを一貫して申し述べてきております。

 しかしながら、国と国との関係は決着がついているけれども、一人一人の心の痛みといいますか、そういうものは残っている人もいるし、いない人もいるということだろうと思います。ひどく痛みを感じている人もいれば、余り痛まない人もいるということはございます。傷つけられた方、傷つけた方、あるいはそれが非常に身近な事象としてある人、ない人、それによってさまざまなのだと思います。したがって、個人がいろいろとそれについて議論をなさる、あるいは議論だけでなくて具体的な行動をなさるということはあるだろうと思います。

 したがって、平和友好交流計画を村山総理の指示で私どもは実施しようといたしておりますし、それについても議員にはいろいろ御意見がおありだと伺っておりますが、私は広く国民の皆さんの理解と協力が得られることを期待しているわけでございます。


○清水澄子君 これはその本人の心の痛みの問題だけじゃないですね。やはり日本の姿勢とか日本の人権に対する認識が問われていることだと思いますが、きょうはもう、でも議事録に残るでしょうから。それが今後どういう論議を呼ぶか、私はむしろそういう認識の方に心配をいたします。

 次の質問に入りますけれども、既に私は外務省に韓国の外務部が出された文書をお渡ししておりますけれども、まずこの文書によりますと、韓国政府は日本政府に対して、郵便貯金それから保険金、未払い賃金などの日本政府が保管している文書について返還を要求しているということになっているわけですけれども、そのような韓国政府からの返還要求が出ているのでしょうか。簡潔に言ってください。

*1

■英語原文
290. In July 1992, an apology was delivered by the Japanese Prime Minister, admitting that the Japanese military had forced tens of thousands of women to work as sex slaves in a vast network of Government-run brothels. However, the question of compensation has still to be determined and the act has still to be recognized as a crime under international humanitarian law.

"Preliminary report submitted by the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences, Ms. Radhika Coomaraswamy, in accordance with Commission on Human Rights resolution 1994/45"

■日本語訳
290. 1992年7月、日本の首相は日本軍が国営の売春宿という広大なネットワークの下で数万の女性を性奴隷にしたことを謝罪した。しかし、補償問題は依然として決着がつかない上に、国際的人道法の下で犯罪として認められてもいない。

『女性に対する暴力-その原因と結果-予備報告書 』、(財)女性のためのアジア平和国民基金、53ページ(pdf、55/104ページ)

*2:上記、注1参照

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2008-07-19

国会に出てきた『奴隷条約』 その3 国会に出てきた『奴隷条約』 その3 - Stiffmuscle@ianhu を含むブックマーク はてなブックマーク - 国会に出てきた『奴隷条約』 その3 - Stiffmuscle@ianhu 国会に出てきた『奴隷条約』 その3 - Stiffmuscle@ianhu のブックマークコメント


衆議院外務委員会-3号 平成04年03月06日

123-衆-外務委員会-3号 平成04年03月06日


○川島委員 人口を抑制することによって、世界の食糧問題なりエネルギー問題なり温暖化現象がなくなっていく。これは本当の、これからの我々政治に携わる一人一人がやはりこの問題に、発展途上国の人たちに手を差し伸べていかなければならない問題だと思っておりますので、ぜひひとつ外務大臣のお力添えをいただきたいと思います。

 次に、我が国は、昨年末の国連総会において安全保障理事会の非常任理事国に選ばれました。このことは国連加盟国の圧倒的多数が日本に大きな期待を寄せたからだと私は思っております。しかしながら、我が国は、残念といいますか、どうしてなんだろうかと、こう言わざるを得ないわけですが、国際社会でのおつき合いが十分でないと思います。

 ここに国立国会図書館調査立法考査局発行の、我が国がまだ批准をしてない国際条約の一覧表がございます。「一九九一年十月現在」、こういうことに書かれているわけでございますけれども、国際連合寄託条約等、人権にかかわる奴隷条約、環境、外交、文化・学術、運輸、ILO、ユネスコ等、二十五分類で二百五十件の、まだ批准されてない条約が実は残っておるわけでございます。

 私は余りにもこの状況がひどいのに驚いたわけでございますけれども、まず条約局はこの問題についてどのような取り組みをいたしておるのか、その辺の内容についてまずお伺いをしたいということと、こういう現状になっているということについて外務大臣はどのような御所見をお持ちになっているか、お伺いしておきたいと思います。


○柳井政府委員 ただいま先生のお触れになりました調査につきましては、私も拝見させていただきました。大変な労作であろうと思います。

 御指摘のとおり、未批准の条約の本数が何本あるかというのは、技術的には若干難しい点も実はございます。いろいろ数え方がございまして、改正議定書を別に数えるかとか、そういう点はございますけれども、ただ御指摘のとおり相当多くの、二百数十本の未批准条約があるのは事実でございます。

 我が国といたしましては、未締結の条約につきましては、各条約の目的、意義、内容、その締結の必要性、それからさらには国内法体制との整合性等を十分勘案の上で、その取り扱いにつき検討を行いまして、締結が適当であり、また問題がないと考えるものにつきまして、速やかにその締結につきまして国会の御承認をお願いしてきているわけでございます。今後とも、かかる努力を進めてまいりたいと思っております。

 確かに、未批准の条約も多うございますが、国会の御協力もいただきまして、批准を終了した条約の数も相当になっております。いわゆる国会承認条約の数でございますけれども、二国間、多数国間合わせまして七百本以上のものを締結しているわけでございます。

 なお、人権関係のものにつきましては、これまで我が国といたしまして七本の条約を締結しております。さらに、この国会に児童の権利に関する条約を提出いたしまして、御審議をいただくよう今最後の詰めをやっているところでございます、


○渡辺(美)国務大臣 ただいま条約局長から説明したとおりでありまして、いろいろ今後検討をして採択といいますか、日本でも批准しなければならぬと思うようなものは、なるべく急いで順次批准をするように努めてまいります。


○川島委員 国連中心主義、平和憲法を持つ日本は、こういう国連の中でのこれからのつき合いが非常に大切になってきます。我が国は、経済大国第二位という形の地位の中で、国連改革を率先してやっていかなければならない、そういう立場にありながら、こういう二百五十もの条約、議定書等がおろそかになっているということは非常に残念なことでございますので、計画的にきちっとすべてを精査して、できないものはどうだという形をひとつ院に報告をしてもらうようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

dcdidzcjledcdidzcjle2014/06/03 20:54nphsrjboiv, <a href="http://www.gwhtmpbbjc.com/">theftaqwkm</a> , [url=http://www.znawnuzqso.com/]erdajczsez[/url], http://www.ohynuzddfl.com/ theftaqwkm

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2008-07-15

国会に出てきた『奴隷条約』 その2 国会に出てきた『奴隷条約』 その2 - Stiffmuscle@ianhu を含むブックマーク はてなブックマーク - 国会に出てきた『奴隷条約』 その2 - Stiffmuscle@ianhu 国会に出てきた『奴隷条約』 その2 - Stiffmuscle@ianhu のブックマークコメント


衆議員外務委員会 (昭和56年05月28日)

94-衆-外務委員会-17号 昭和56年05月28日


○賀陽政府委員 人権関係の未締結、未批准の条約についての御質問でございますが、これは列挙して申し上げますか。


○野間委員 いいえ、大ざっぱなあれで……。


○賀陽政府委員 一つはジェノサイド防止処罰条約というものがございます。集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約でございます。それから奴隷条約、無国籍者の地位に関する条約、既婚婦人国籍条約、無国籍削減条約等でございますが、さらに最近では婦人差別撤廃条約というものが課題に上っています。


○野間委員 いま挙げられた中に幾つが非常に重要な条約があったと思いますが、ジェノサイド条約、これも決して時代の古い出来事ではなくて、最近も、たとえばエルサルバドルの十四家族の圧政の中でいろんな虐殺が出ておりますし、またポル・ポト政権下の虐殺についてはすでに天下周知の事実なんです。こういう点で、先ほど申し上げたようにせっかく国連の人権委員会のメンバーとして入ったわけですから、ジェノサイド条約についても早急に検討した上で加入するべく努力をする必要があるのじゃないか、こう思うわけでありますが、この点についていかがでしょう。


○賀陽政府委員 ただいま御指摘のジェノサイド条約をどう考えるかということでございますが、この集団殺害罪というものが国際法上の犯罪であることを確認し、共同謀議の段階から実行過程までそれを処罰するという趣旨のものでございますが、わが国もその趣旨には異存はないところでございます。

 条約の義務履行を国内法で担保しようとする場合に、条約が禁止している各種の犯罪行為をどのように国内法において構成要件として決めていくかという条約上の問題点がございまして、これが必ずしも明確でないということは否定できませんので、加入をしておりません。しかし、野間委員の御指摘もございましたし、一昨年におきましては立木委員からも本件につきましては非常に強い御指摘もございましたことを私は記憶しておりますので、刑法上の犯罪として立法化することを含めまして、今後関係省庁と連絡しつつ、慎重ながら検討を進めてまいりたいと思います。


○野間委員 確かに国内の法体系の整合性の点で一定の工夫はあると思いますが、これはいまの局長の答弁でも技術的に決して不可能ではないし、そういう点でこれから検討をさらに進めるというような答えなんですけれども、と同時に、この条約に加入するということは、国際的に世論をリードすると言うと大変オーバーな表現になるかもわかりませんが、日本としては先ほど申し上げた難民条約に対する対応と同じように、単に消極的な態度で対応するのではなくて、やはり国際的な世論に訴える、そういう意味で日本が条約に加入するということ自体が大きな意義と役割りがあるというような位置づけなり認識を私はしておるわけであります。そういう点からも、いま答弁がありましたけれども、さらにひとつ鋭意努力をしていただきたい。このことについて再度お答えいただきたいと思います。


○賀陽政府委員 野間委員の非常に強い御指摘もございましたので、御趣旨を踏まえまして、慎重ながら検討してまいりたいと思います。


○野間委員 慎重ながらというのは一言多いわけで、だから前向きに、積極的に、早急に検討をぜひしていただきたい。これを重ねて要望申し上げておきたいと思います。

 それから、いまの婦人に対するあらゆる差別を撤廃する条約なんですが、これはいつか私も法務委員会で取り上げたことがありますが、国際婦人年も御案内のとおりもうすでに中間年を過ぎて、これから十年目に向けてすでに折り返しをスタートしているわけですね。法務省の意向などを聞いておりますと、とにかくその期間内であればいいのではなかろうかというような、これまた消極的な姿勢というふうに私は感ずるわけでありますけれども、法務省、もしどなたか来ておられたとするなら、これについていまどの程度進捗しておるのか。特に国籍法の改正が中心になると思います、後でまた帰化の要件の緩和の問題とも絡みますし、ぜひひとつお答えをいただきたいと思います。


参議員決算委員会 (平成02年10月04日)

118閉-参-決算委員会-2号 平成02年10月04日


○千葉景子君 大蔵大臣は今総理の臨時代理もおやりということでございますけれども、これはそれぞれの担当各省各庁、自分の管轄の部分を含めて基本的な認識をやはり持っていただかなければいけない部分だというふうに思います。

 子供の権利条約については政府としても大変積極的な姿勢は見えつつあるようでございますけれども、ただ、子供の権利というのは子供の権利だけ考えればいいというものではない、それだけがうまく確立していくということではないというふうに思うんですね。これは人権、人間の権利全体がどう豊かなものになっていくか、やはりこういう総合的なことが子供の権利をも高めていくということだろうというふうに思うんです。そういう意味では、子供の権利について大変関心を持っていただくことも結構ですけれども、やはり日本の全体の人権に向けた目やあるいは取り組み方、こういうことをもう一回考えてみる必要があるのではないかというふうに思います。

 先ほど、梶山法務大臣は、これからそこには全力でというか、大きな力を向けていくというお話でしたけれども、まさに梶山法務大臣のこれからの姿勢というものも大いに問われてくるところだろうというふうに思うんですね。

 日本では子供の権利条約はこれからですけれども、これまで重要な人権にかかわる条約というものも、例えば人種差別の撤廃条約であるとか、人権規約のB規約の議定書であるとか、あるいはアパルトヘイトにかかわる条約、拷問の禁止の条約、これ未発効ですけれども、その他奴隷条約とか、未加入とか未批准というものが大変多い。そういうことも含めて、日本は経済は大変に豊かな国になったけれども、人権に関しては一流とはとても言えない。三流あるいは五流と言われているような状況でございます

 そういう意味では、この子供の権利条約を考えるに当たって、やはりもう一回こういう総合的な人権に向かった取り組み、あるいは条約の批准に向けた取り組みなどを再検討、見直す必要があるのではないかというふうに思いますけれども、外務大臣いかがでしょうか。


○国務大臣(中山太郎君) 先般私も国連総会に列席をいたしまして、この子供のためのサミットこおける各国首脳の姿勢というものを改めて目の当たりにしたわけでございます。今日、一日四万人の子供たちが地球の上で毎日死んでいっている。また、栄養失調で悩んでいる子供たちの問題も大きく議論をされましたが、私ども国内法との関係をさらにこれから詳細に検討いたしまして、できるだけ早く批准ができるように政府としても努力をいたしたいと考えております。


○千葉景子君 若干お答えがというか、私はもう少しほかの面でもこの子供の権利条約と国内法、これを見直していくということも必要ですけれども、全体的な人権、そういう総合的な観点からほかにももっと積極的に進めるべき問題がたくさん残されているのではないか、こういうことを指摘させていただいたんですけれども、いかがでしょうか。


○国務大臣(中山太郎君) いろいろと日本の国としての長い慣習の中にはいわゆる人権問題についての不十分な点もまだ残されていることは私も率直に認めなければならないと思いますが、そのような問題点を抱えたこの社会が人権が尊重される社会に立派になっていくために、国内法、あらゆる問題点につきまして政府としては努力しなければならないと考えております。


○千葉景子君 世界はこぞって人権問題に取り組み、そして条約などでお互いにこういう問題を高めていこうという時代ですから、遅過ぎるぐらいですけれども、積極的になることは当然のことですのでぜひお願いをしたいと思います。

 さて、この子供の権利条約は、もう私はきょうは時間がありませんのでくどくど言いませんけれども、やはり基本的に発想をこれまでと大きく変えるものだというふうに思います。それはやはり子供の自己決定権というんでしょうか、これまで子供は未成熟であり大人が保護をしていこう、むしろその保護をする客体に位置づけていたということから、子供を主体に、子供がやはり意思を持ち自分で自分の意思を決定していく、大人はそれをできるだけ発揮をするように努めていこうじゃないか、そういうやはり発想の転換をしなければいけないというふうに思います。

 そういうことを考えてみますと、これはもう各省各庁自分の担当分野で考え直してみなければいけない部分が私は相当あると思うんです。

 きょうは法務省と文部省にも来ていただいたわけですが、これはそれぞれにまたお尋ねするべきところかと思いますけれども、法務省、法務大臣ですけれども、一番問題にされていますよ。法務省のさまざまな管轄の問題の中には、この条約を考えるに当たって検討すべきところがもう相当あるのではないか。文部省も法律、制度の上ではわかりませんけれども、例えば子供の意思ということを考えれば、校則の問題、処分の問題、学校でのカリキュラムや教科書の問題、あるいは集会とか子供たちが自分の意思を表明するそういう場があるかどうか。そういうことも含めて大変大きな問題点が残っているのではないかというふうに思うんです。

 きょうは法務省それから文部省、両方に、この権利条約をこれから検討するに当たってどんなことを考えていらっしゃるか、どんな問題点があるか、本当に認識なさっているのかどうかお尋ねして終わりにしたいというふうに思います。


○国務大臣(梶山静六君) 先ほどの答えに尽きるわけでありますが、本条約の目的を念頭に置きながら、鋭意国内の具体的な問題について詰めてまいりたいと思いますが、確かに目的と具体的な一つ一つについては問題点が数多くあることをおぼろげながら了解をいたしております。

 それは例えば立場の違う子供の相続の問題であるとか、難民の子供が入ってきて親と同居できない問題をどう処理するとか、あるいは国内において犯罪を犯して国外退去を命ぜられた親と子供はどういう関係にあるべきか。それぞれ個々の問題では大変な問題を抱えていることを私も承知をいたしております。しかし、大きな目標に向かってお互いにすり合わせをしながら、この問題に全力で取り組んでまいりたいと考えております。


○国務大臣(保利耕輔君) 子供の権利条約につきましては、委員から御指摘のとおり、世界の中で

現在初等教育すら受けられない人々が一億人以上いらっしゃるとか、あるいは年に千四百万人も子供さんが亡くなるとか、そういうような状態になっておりまして、日本としてもこうした問題の除去に努めていかなければならないのではないかということが一つ言えると思います。

 もう一つは、委員御指摘の国内の問題でございますけれども、文部省といたしましても児童生徒の基本的人権に十分な配慮をした教育指導やあるいは学校運営が重要であるということを十分に認識いたしております。そういった観点に立って、今後とも児童生徒の基本的人権が守られるように努めてまいりたい、このように思っております。

 ただ一つだけ、日本は法治国家でありますから、やはり集団生活において一定のルールを守るという、そういう気持ちも植えつけていかなければならないのではないか。これと基本的人権をどう整合させるかという非常に難しい問題になろうかと思いますが、こういった点も勘案しつつ人権の擁護については十分確保していくように努力をしてまいりたいと思っております。


○国務大臣(塩崎潤君) 条約等に今申されましたようなことがあり、私どもの所管に関することもございます。通常国会でいろいろと御論議もありましたが、今法務大臣も答えられましたように、人権尊重の観点から私どもも努力していきたいと考えております。

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