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2008-08-11

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安秉直氏による原文

調査に参加して

安秉直(ソウル大学経済学部教授・植民地経済史)


 私がこの調査に参加するようになった動機は、とても単純なことだった。たとえ対象が異なるとはいえ、私も植民地時代を研究している者として、軍慰安婦の実体がどんなものだったのかを知りたかったし、また韓国国内では軍慰安婦と女子挺身隊の事実をきちんと把握すらできないまま、この問題に対処しているのではないかという憂慮があったためである。私個人としては、すでに昨年春から軍慰安婦に関する既存の研究と資料の収集・検討を始め、『毎日新報』と『京城日報』に載った女子挺身隊に関する記事を収集したりしていたが、既存のものだけでは両者の関係を明らかにするには不十分であるいうことに気付くようになった。

 なぜなら、女子挺身隊に関する資料は比較的豊富で、またそれが秘密に取り扱われたものではないため、その実体をたやすく把握することができるが、軍慰安婦は既存の研究と資料だけではその実体を明らかにできない部分が多すぎたからである。こうして、私は軍慰安婦の実体をもう少し明確に知るためには、現在生存している元軍慰安婦の聞き取り調査をしなければならないということを切実に感じるようになったのである。

 去年の手帳を開いてみると、「6月10日9時、阿峴(アヒョン)駅プラットホーム」と書いてある。そこで鄭鎮星教授に会って、阿峴洞にあった挺身隊問題対策協議会に行ってみると、尹貞玉先生をはじめ挺身隊研究会の会員たちが続々と集まってきた。まず、調査項目と軍慰安婦・女子挺身隊の年表を作成し、共同で検討するかたわら、研究・資料目録の作成と資料収集作業を私も先頭に立って同時に進行させていった。今になって振り返ってみれば、不十分な点も多々思い当たるが、おおよそ予定どおりに作業が行われた結果、それぞれの調査者たちは、軍慰安婦とその時代の事情をある程度把握したうえで、調査作業に臨むことができた。調査課程でわかったことだが、こうした事前の準備があったために調査が順調に進行できたようである。軍慰安婦のような複雑な問題を調査するにあたっては、この問題に関する事前の知識が不可欠なものであったからだ。

 手帳をさらにめくると、6月10日以降9月中旬まで毎週「12時、挺身隊研究会」と記録されている。始まりの時刻は午前10時と午後2時が多く、場所は挺対協事務室か落星岱(ナクソンデ)研究室がほとんどであった。今考えてみても調査者たちは本当に一生懸命調査にあたったと思う。午後10時に始めて午後6時まで調査を検討したことも一度や二度ではなかった。調査を検討するうえで非常に難しかった点は、証言者の陳述がたびたび論理的に矛盾することであった。すでに50年前のことなので、記憶ちがいもあるだろうが、証言したくない点を省略したり、適当に繕ったりごちゃまぜにしたりということもあり、またその時代の事情が私たちの想像を越えていることもあるところから起こったことと考えられる。

 この中でも調査者たちを困らせたのは、証言者が意図的に事実を歪曲していると思われるケースだった。私たちはこのようなケースに対処するために、調査者の一人ひとりが証言者との間に信頼関係を築くことによってそのような困難を克服しようと努力した。そうして大部分の場合は意図した結果を得ることができたが、どうしても調査を中断せざるを得ないケースもあった。こんな場合は、次の機会に再調査することを約束するしかなかった*1

 私たちが調査を終えた19人の証言は、私たちが自信を持って世の中に送り出すものである。私たちの間でも、調査の初期にはお互い違った調査態度をとることもあったが、最後には真実をそのまま明らかにすることを最大の原則にするということに全員が同意した。特に、軍慰安婦問題は植民地時代の最大の屈辱ともいえる問題であるだけに、この問題にどうやって対処するのかということは本当に重要な問題だと考えたためである。すなわち、真相の究明こそが、この問題に対処できる最も重要な原則にほかならない。それゆえ、私たちは真実をありのままに把握するために、1人の証言者に対して大体5、6回以上の面接調査を行なった。

 この過程で、私たちは証言の論理的信憑性を裏付けるよう、証言の中で記録資料で確認できる部分はほとんど確認した。それでもなお、この調査に、いたらなかった点がまったくなかったとは断言しない。なぜなら、軍慰安婦の生活のような、人間以下に扱われた経験をありのままにすべてさらけだして証言するということは、誰にでも難しいことであり、またこのような調査を短い期間のうちに行なうことも無理があると思うからだ。不足している点は、もっと深みのある個別調査によって、補充されることを期待する。


   1993年1月


韓国挺身隊問題対策協議会・挺身隊研究会 編、従軍慰安婦問題ウリヨソンネットワーク訳『証言‐強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち』、明石書店、1993年、6~8 ページ

(強調は引用者による。漢数字は適宜、算用数字に改めた。以下同じ)


西岡力氏によるトリミング

http://www.ianfu.net/opinion/nisioka.html

韓国のソウル大学の韓国史学者として著名な安乗直教授(現名誉教授)がキャップとなって挺身隊研究会というプロジェクトができ、当時「慰安婦」として名乗り出ていた四十数人の人たちに本格的な聞き取り調査を行いました。

その後、安教授らは調査の結果を「証言集」として本にまとめますが、その中にこう書いています。

調査を検討するにあたってとても難しかった点は、証言者の陳述が論理的に前と後ろが合わない場合がめずらしくなかったことだ。このような点は、すでに五十年近く前のことであって記憶の錯誤から来ることもありうるし、証言したくないことを省略したり適当にまぜこぜにしたりすることから来ることもありうるし、またその時代の事情が我々の想像を超越するものかもしれないという点もあった。

この中でも調査者たちをたいへん困難にさせたのは、証言者が意図的に事実を歪曲していると感じられるケースだ。我々はこのような場合に備えて、調査者一人一人が証言者に人間的に密接になることによってそのような困難を克服しようと努力し、大部分の場合に意図した通りの成果を上げはしたが、ある場合には調査を中断せざるを得ないケースもあった。このような場合は次の機会に再調査することを約束するしかなかった

九二年、九三年に日本が謝罪している最中でも韓国の学者は、「意図的に事実を歪曲していると感じられるケース」があったと書いているのです。

これは四十人を対象にしている調査でしたが、本にまとめることができたのは十九人でしかなかった。半分以上の人ははじいたのです。しかも、その中でも自分で「強制」だったと言っている人はたった四人です。四人のうち、一人は韓国の釜山で「強制」され、もう一人は日本の富山県で「強制」されたと言っている。しかし、戦地でない所に軍の「慰安所」はありませんから、それだけでこの証言がおかしいことがわかります*2

後の一人は、日本政府を相手どった裁判で訴状を出しているのですが、訴状ではいずれもキーセンなどとして「身売り」されたと書いている。つまり、過去の証言と違うことを、言っているのです。この二人の証言者のうち、一人は金学順さんです*3


(中略)


安教授の行った聞き取り調査の「証言集」を韓国の外務省の課長が日本の外務省の課長に「これに全部入っています」と、いわばお墨付きで渡しています。韓国が自信を持って渡した「証言」でさえ、このようなものです


櫻井よしこ氏によるトリミング

http://www.ianfu.net/opinion/sakurai-yoshiko.html

女性たちの証言を信じ難いとする評価は日本人だけのものではない。韓国においても同様の見方がある。九三年、二月に出版された『強制で連れて行かれた朝鮮人軍慰安婦たち証言集1』((引用者注:西岡力が翻訳したタイトル))(韓国挺身隊問題対策協議会・挺身隊研究会編)は、四十余人を対象に調査を実施した。調査に参加した安秉直・ソウル大学教授はこう書いている。

調査を検討するにあたってとても難しかった点は、証言者の陳述が理論的に前と後ろが合わない場合がめずらしくなかったことだ」「調査者たちをたいへん困難にさせたのは、証言者が意図的に事実を、歪曲していると感じられるケースだ。我々はこのような場合に備えて、調査者一人一人が証言者に人間的に密接になることによってそのような困難を克服しようと努力し、大部分の場合に意図した通りの成果を上げはしたが、ある場合には調査を中断せざるを得ないケースもあった」(西岡力氏『闇に挑む!』徳間書店)

韓国の人々の目にも疑問が残った女性たちの証言を前にして石原氏が懸念したことのひとつは、日本が強制を認めた場合、それが後々、新たな補償問題につながっていく可能性だった。


なお、両氏が「強制」と「強制連行」を厳密に分けて使っているわけではないことにも留意されたい。


証言の信憑性についての吉見義明氏の解説

 たしかに、元慰安婦の証言では、話すたびに細部が変ることがよくある。また、記憶があいまいな部分も少なくない。だからといって、まったく信用できないというのは、おかしい。記録を残すことができなかった差別された人々や、少数者や民衆の歴史は、ヒアリングによらなければ、描けないことが多いからである。

 大事なことは、証言の信用できる部分と、信用できない部分を区別し、信用できる部分を積み上げて、事実に迫っていくことだ。

 じつは、このような方法は、元慰安婦の証言だけでなく、すべての証言や記録・文書を用いる場合、必要な手続きだ。このような方法を史料批判という。

 たとえば、ある政治家の回想記を資料として用いる場合を考えてみると、そこに書かれているこをすべて事実だと思う者はいないだろう。回想記を書いた時点で、自分にとって都合の悪いと思われることは隠されるか、歪曲されているだろう。失念や記憶違いもあろう。だから、信用できる部分とそうでない部分を区別し、他の資料がある場合、それとつきあわせる。当時の時代背景を考慮し、ありえない部分は落とすことになる。また意図的にウソをついている場合は、なぜそのようなウソになるのかを考える。これは、真実に迫る手がかりになる場合がある


吉見義明・川田文子 編著『「従軍慰安婦」をめぐる30のウソと真実』、大月書店、1997年、73~74ページ


 ・・・被害に遭った女性たちの証言は証拠にならないかというと、そんなことはありません。たとえば、現実の裁判を見てみますと、書証として、書かれたものとして残っているものは、多くの場合、非常に限られているわけです。そこで、陳述・尋問によって事実関係を確定していくわけですが、その場合に、裁判では反対尋問が必ず行なわれます。そして反対尋問に耐えた証言は証拠になるのです。

 歴史学でいいますと、この反対尋問に該当するのは史料批判ということになります。書かれた資料、当時書かれたもの、それからその後に書かれたものだけではなくて、証言も当然、史料として用いられます。これらを使わなければ、歴史は、特に現代史は書けないというのが、われわれにとっては常識であるわけです。

 その場合に、書かれたもの、文書資料であっても、証言であっても、必ず史料批判というのをわれわれはします。そして、その史料批判に耐えたものは事実として採用できる。それを組み立てて、歴史的関係を確定し、歴史像を再構成していくということになるのです。

 その意味では、文書資料と証言には、証拠の価値あるいは史料の価値に、どちらがより価値が高いという、その高低の差はないことになります。反対尋問に耐えた、あるいは史料批判に耐えた証言は、十分証拠として使えるということになるわけです。それだけではなく、被害の実相は、加害者の証言によって解明できることは少なく、被害者側の証言によって初めて明らかになるということがたくさんあるのです。


日本の戦争責任資料センター、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」 編『ここまでわかった! 日本軍「慰安婦」制度』、かもがわ出版、2007年、19~20ページ

*1:現在、証言集は第6集まで刊行されている。第2集は日本語版があったようだが、現在入手困難。第1集で掲載されなかった元「慰安婦」の証言および、新たに調査対象となった元「慰安婦」の証言は第2集以降。第2集では、「女子勤労挺身隊」制度による動員にも関わらず、「慰安婦」にされた女性2名の証言がある。高崎宗司『「半島女子挺身隊」について』、アジア女性基金、1999年、を参照されたし

*2:引用者注、一人は女子勤労挺身隊として富山の不二越に「強制連行」されたが、その後逃げ出した際に警察に捕まり長野県松代の「慰安所」で「慰安婦」にさせられた。もう一名についても、釜山の遊楽街に軍専用の買春施設があったことが確認されている

*3:金学順さんがキーセン検番に身売りされたことは確かだが、年齢が満たずにキーセンとしての営業許可が下りなかった。中国に営業先を求め、義父らと渡ったが、北京で軍人に強制連行され、慰安婦にされた。西岡氏はその部分を書いていない。詳細はid:yamaki622さんの「blog 色即是空」 秦郁彦が金学順さんの証言をでっち上げ(3)を参照されたし

kmiurakmiura2008/08/12 03:18もはや立派なDJですね。

StiffmuscleStiffmuscle2008/08/13 09:26>kmiuraさん
櫻井さんは有名なので、妨害電波発信源だというのはわかりやすいんですが、西岡さんは有名ではないし、専門家は彼のことをまったく相手にしていないようなので、ユンユンなことがわかりにくいんです。彼の著作を読むと、トリミングや変な解釈の連続で頭痛がするんですが、西岡さんがこれらを、秦先生のように、意図的にやっているのかについては疑問を感じています。

BetyhBetyh2012/10/29 22:08This is an article that makes you think "never tuhhogt of that!"

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