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2007-07-05

 "slavery" および "sexual slavery"の訳出をめぐる経緯  "slavery" および "sexual slavery"の訳出をめぐる経緯 - Stiffmuscle@ianhu を含むブックマーク はてなブックマーク -  "slavery" および "sexual slavery"の訳出をめぐる経緯 - Stiffmuscle@ianhu  "slavery" および "sexual slavery"の訳出をめぐる経緯 - Stiffmuscle@ianhu のブックマークコメント


慰安婦グループ「奴隷状態の定義

解説にかえて: Sexual Slaveryという単語に関するノートを完成させるにあたっての個人的考察


従軍慰安婦の問題をめぐり特に欧米ではそれを指して”sexual slavery”ないしは"sex slaves"といった表現を用いられることがある。1999年に国連人権委員会差別防止・少数者保護小委員会で採択された「マクドゥーガル文書」は、その付属書の「まえがき」で、「慰安所」、「慰安婦」は侮蔑的な表現であり、それぞれの実態あらわす「強姦所」、「性奴隷」という語を用いてる。

(原文)

Introduction

1. Between 1932 and the end of the Second World War, the Japanese Government and the Japanese Imperial Army forced over 200,000 women into sexual slavery in rape centres throughout Asia. These rape centres have often been referred to in objectionably euphemistic terms as "comfort stations". The majority of these "comfort women" [This term has obvious derogatory connotations and is used solely in its historical context as the term assigned to this particular atrocity. In many ways, the unfortunate choice of such a euphemistic term to describe the crime suggests the extent to which the international community as a whole, and the Government of Japan in particular, has sought to minimalize the nature of the violations.] were from Korea, but many were also taken from China, Indonesia, the Philippines and other Asian countries under Japanese control.


はじめに

1. 1932年から第二次世界大戦終結までに、日本政府と日本帝国軍隊は、20万人を超える女性たちを強制的に、アジア全域にわたる強かん所(ルビ、レイプ・センター)で性奴隷にした。これらの強かん所はふつう、「慰安所」と呼ばれた。許し難い婉曲表現である。これらの「慰安婦」*たちの多くは朝鮮出身者であったが、中国、インドネシア、フィリピンなど、日本占領下の他のアジア諸国から連行された者も多かった。 (84頁)


*この用語には、あからさまな侮蔑的含みがあり、その歴史的文脈のなかで、この特定の残虐行為にかかわる用語としてのみ使われる。この犯罪を描写する表現として、これほど婉曲的な用語が選ばれてしまったのは残念なことで、それはいろいろな意味で、国際社会全体として、特に日本政府が、この侵害行為の本質をいかに最小限にとどめようとしてきたかを示している。(142頁


VAWW‐NET JAPAN, 松井やより, 前田朗

増補新装2000年版 戦時・性暴力をどう裁くか―国連マクドゥーガル報告全訳〈増補新装2000年版〉

2000年、凱風社

これに対して、日本側では、「慰安婦は性奴隷ではない、当時合法であった公娼である。」といった反発がよく見受けられる。しかし、そのような主張をする者から、「性奴隷」の定義が提示されたことはなく、どのようなニュアンスで「性奴隷」という言葉を受け止めているのかも明らかではない。

重要な語の定義を共有しないまま、各人が抱く言葉へのイメージだけに依拠して、論議を進めることは極めて危険であり、少なくとも、理性的、学問的な議論とはなりえない。

と同時に、国際法に基づく定義そのものの根源的課題である、"Slavery"や"sexual slavery"いう単語の和訳には、それぞれ、「奴隷制」、「性奴隷制」という定訳があるが、定訳ゆえに意味の正確な検証をせずに安易に使ってきたことも、長年に渡り議論がかみあわず、何の進展も生み出せない一因ではないかと思うにいたった。

少々長くなるが、そこに到る経過を紹介しておきたい。


◆kmiuraさんのエントリーで、Stiffmuscleが「マクドゥーガル文書」の「奴隷状態の定義」に対する私訳を投稿し、共同で翻訳していくことになる。

性奴隷という言葉の定義


◆下記エントリーにおいて、訳語の選択をめぐる意見交換のなかで、"slavery"および"sexual slavery"についての意見交換が行われる。

性奴隷制の定義つづき

以下、該当部分を抜粋して転載。

Stiffmuscle

『それから、"rape"は「レイプ」か「強姦」か「強かん」に統一しませんか。「強かん」という表記の根底にある思想は、「障がい者」という表記の根底にある思想と同じだと思うので、却って不快な表現になりかねない(当然、異論もあるでしょう。)というのが私の個人的見解で、加えて、できるだけ日本語で表記したいという想いもありますので、「強姦」が最適かと思います。』


kmiura 『同じく「強かん」はどうも私も使えません。漢字にしなけりゃいいのか、ということで。「強姦」か「レイプ」か、なのですが、「強制」と「強姦」は漢字の意味にリダンダントなところがあるので、レイプの方がいいかな、と思っています。

あと、「性的活動」という単語にちょっとひっかかりがあります。性行為、というとsexual behaviourなので、上のように性活動、という単語でいかがでしょうか。行為はあるていど目的が背景にあるようなニュアンス。性活動(sexual activity)はもうすこし目的から遊離した行動そのものを指すタームのように自分では解釈しています。


Stiffmuscle 『"rape"が「強姦」か「レイプ」かについての考えは他の方にも意見を聞いてみたいところですね。人によって語感が微妙にずれる部分で、そのギャップを知的な作業で丁寧に埋める作業を日本人は怠ってきたんじゃないか、それぞれがギャップを埋めようとせずに、ギャップこそ根幹的な見方の差であると他者を感情的に攻撃してきたんじゃないか、そして、そのツケが今、「慰安婦問題」などで抜き差しならないイデオロギー対立、感情的対立となって現れているんじゃないかと考えたりさえします。

それは、それとして、ここは「レイプ」で統一しましょう。

また、sexual activity も「性活動」に統一しましょう。

私個人としてはkmiuraさんとは全く逆の印象を持っていますが、特に争点となるほどの問題ではないように思います。

-----

訳語の妥当性に関しては、"slavery"にもあると思います。

「奴隷制」という表現は社会に定着していますが、「制」という漢字が表すようなシステマチックな枠組みが作られているかどうかが最大の問題ではないので、27項で定義されているように一貫して「奴隷である状態、状況」であるべきでしょう。

ですが、そういう課題はあっても、実利的に考えれば、「奴隷制」と「奴隷である状態」という訳語を使い分けてよいと思います。読みやすさという観点から言えば「奴隷である状態」を「奴隷の状態」としてもよいかとも考えます。』


kmiura 『強姦かレイプか、というのはよい論点だと思います。どこか隠蔽して放置してしまうところがある、それがさまざまなすれちがいを生じている、という点に関して、なるほど、と私は思いました。

slaveryに関しては隷属、隷属下という言葉も検討したらどうかな、と思います。

訳語の統一・検討はとても重要だと私もあらためて思います。言葉のもつ印象、指示対象の範囲の微妙なさで、文章全体のもつメッセージも変わってしまうでしょう。もちろん、この議論は全体の訳がほぼ終わってから言葉の選択、ということで議論し、単語を置換することができるので、ペンディング(あるいは議論をはさみつつ)、ということにしませんか。』


Stiffmuscle 『それから、強姦かレイプか、その用語に限らず、なにを「隠蔽して放置して」きたのか考察してみたいですね。「どっちでもええやん、日本語は曖昧なところがええねん。」というのは別に日本語に限ったことではないですし。』


Stiffmuscle 『途中で話題になった、「強姦」か「レイプ」かって語の定義と語感の問題は、安倍総理が「謝罪」したのか「お詫び」したのかにも繋がる根の深い問題だと思いますので、そのあたりを追求、討論したい思いもある一方、「マクドゥーガル報告書」に拘って資料を整理したいとも考えております(こちらは私の日記で積み上げていくつもりです)。』


kmiura 『訳語の検討は必要ですね。奴隷制、というとどうもシステムみたいに聞こえるし。』


Stiffmuscle 『slavery の訳語ですが、

http://dictionary.reference.com/browse/slavery

を参照すると、「奴隷制」もしくは「奴隷(である)状態」の意味があります。

(あえて再確認の為にURL出しました。)

今回訳した箇所については、「奴隷(である)状態」の意味で統一したほうがよいと思います。

関連して、"sex slavery”ですが、この語の訳出はさらに厄介な要素をはらんでいるように思います。「性奴隷制度」ではなくて「性奴隷(である)状態」でよいと思います。「性奴隷ではない!」という感情的反発を抱く方も多いので、「慰安婦」という婉曲語よりも実態を表した「性奴隷」を使うほうが適切であることをできるだけ多くの方に納得できる形で提示する方法を考えないとならないですね。マクドゥーガル文書に、それに関する内容があったと記憶していますので、探してみます。

また、これは"rape center (強姦所)"についても言える事で、中国で現地の人は実際にこの呼称を使っていたという記述を読んだ記憶があるのですが、資料が探し出せていません。』


kmiura 『slaveryにかんする訳の統一、賛成です。

奴隷状態の定義、というキーワードにして、そちらに内容を移し変えることにしましょうか。で、目下の「奴隷制の定義」には、新しい方へのリンクだけ残す。性奴隷制、性奴隷状態もそうですね。訳語に関する上のような経緯も”slaveryの訳出について”ということで掲載しておけば、なにかと読む人のためにもなると思います。』


Stiffmuscle 『了解しました。移転作業のほう、よろしくお願いします。

なぜ「慰安婦」ではなくて、"sex slave"なのか、マクドゥーガル文書から抜き出してまとめてから、あたらしい定義に付け加えます。』


◆以上の意見交換から、訳出に当って以下のような視点が共有できたのではないかと思う。

  1. 1929年の奴隷条約が規定するように、"slavery"は、奴隷である「状態」や「状況」を示すものであり、「制」という漢字に含まれる「ハードなシステムとしての制度」という意味合いではない。
  2. 各種の英語辞典、英英辞典、国語辞典などを引いたり、実際のニュアンスや文例など多方面から検討を加えた結果、"slavery"を「奴隷状態」と訳出していく方向で進めてる。なお、「奴隷であること」「隷属下」などの訳語の妥当性も引き続き検討する。
  3. 上記の判断により、"sexual slavery"も「性奴隷制」ではなく、「性奴隷状態」もしくは「性奴隷であること」と訳すのが妥当と考え、訳出を進めていく。

  • WEBで引ける辞書のうちで特に有用なもの

英辞郎 on the web

http://www.alc.co.jp/

Yahoo!辞書

http://dic.yahoo.co.jp/

Dictionary Reference .Com

http://dictionary.reference.com/




(メモ)

  • sex and/or slave という英語から何を連想するか?(英語圏と日本語圏での受け止めの差異とその原因)
  • 「性」 and/or 「奴隷」という日本語から何を連想するか?(日本人の中での差異とその原因)
    • sex slave 「性奴隷」
    • sex chromosome  「性染色体」
    • white slave
    • sex slave

kmiurakmiura2007/07/05 20:12キーワードの”解説にかえて”の部分を変更してみました。こうした形でトップに書いておいて、上の文章は”和訳”の項の下に挿入すればよいのではないでしょうか。

StiffmuscleStiffmuscle2007/07/05 21:39kmiuraさん。
その案に賛成です。でも、やり方がわからないので、kmiuraさんに作業おまかせしてもいいですか?それを見てやり方を勉強します。

じゃあ、次はslavery と sexual slavery の部分の訳の検討を始めるということになるでしょうか?これは、また元のコメ欄での作業続行ですね。

この翻訳が一応完成してからの話ですが、Report No.49も正しい原文を確認の上、「慰安婦=売春婦」説とかの根拠になってる部分の訳を検討するのもよいと思います。
Alex Yorichiの英文はどこか稚拙というか、面白がってるというか、そんな部分を揚げ足取りされた格好になってますので、SEATIC NO.2(ATIS No.120)とすり合わせながら検討していくのもよいと思います。
一方で、それよりもアジア女性基金の資料集の英文を掘り起こしていくほうがよいのかとも思ったりもしてます。George HicksやTanaka Yukiを部分的に紹介するとかでもいいかもしれません。

kmiurakmiura2007/07/05 22:42キーワードの項に追加してみました。辞書のリンクと、メモの部分は割愛しました。
訳の変更はまず 

奴隷制 → 奴隷状態
性奴隷制 → 性奴隷状態

でしょうか。言い回しに不都合なところがあったら、また考えましょう。
キーワードの編集、よかったらやってみてください。

kmiurakmiura2007/07/05 22:43Report No.49の検討はよいかもしれません。特に”慰安婦”がどのように捉えられていたのか、という点を中心に。

StiffmuscleStiffmuscle2007/07/05 23:23ありがとうございました。キーワードの編集やってみます。明日からでもぼちぼちと取りかかります。「奴隷状態」に関係を示すような語を補うことがあるかもしれません。

Report No.49自体はみなさんよくご存知ですし、論点を固めてから掲示板で意見を出し合うのもいいかもしれません。ミッチナの場合は、丸山大佐がどんな人物だったかを浮き彫りにするのもいい方法かもしれませんね。

ところで、Alex Yorichiではなくて、同僚のKarl G. Yonedaの資料はUCLAにあるみたいです。
http://content.cdlib.org/view?docId=tf0c6002wh&chunk.id=c01-1.9.7.17&brand=oac

DedeDede2012/10/30 01:09Hot damn, looinkg pretty useful buddy.

yynwxayynwxa2012/10/30 22:50gZ7RrW <a href="http://aqrdastfmwnj.com/">aqrdastfmwnj</a>

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